北海道建設新聞社
2011/02/08
【北海道】北海道新幹線札刈トンネルが貫通−本道側で3カ所目
北海道新幹線札苅トンネルの貫通式が7日、木古内町札苅の同トンネル坑内で行われた。発注者や施工者、行政機関ら関係者180人が出席し、無事故での貫通を喜び合った。
新幹線の本道側新設区間でのトンネル貫通は6本中、渡島当別、幸連に続き3カ所目となる。
同日午前、施工するハザマ・田中組・丸彦渡辺建設共同体の青木正雄現場所長が貫通掘削を命令。覆われていた幕が開くと、終点側の坑口から光が差し込んだ。名越次郎鉄道運輸機構道新幹線建設局長への貫通報告を出席者全員で聞き届けると、坑内には喜びの拍手が響き渡った。
名越局長は「新幹線の土木工事はすべて契約を終えた。あと1、2年で工事が本格化すると、皆さんの目の前で工事が進められることになる。5年後の開通に向け、無事故での完成を目指す」とあいさつした。
主催者を代表し、ハザマ札幌支店の陣門謙一役員待遇支店長は「工事全体の完成は2013年3月20日。この貫通式を契機に『安全はすべてに優先する』のスローガンの下、一層の品質向上に取り組みます」と決意を新たにした。
札苅トンネルほか工事は、09年3月着工で、10年1月から延長1135mのトンネル掘削を開始。本トンネルに並行した小トンネルを掘って換気などで使う導坑掘削を採用した。
坑口上部では、高規格道路函館江差自動車道と交差するため、道路の盛り土荷重をトンネルアーチではなく、トンネル周辺の基礎岩盤に伝達させる検討を続け、水を含んだ凝灰岩層の地盤改良対策などを施した。
今後は2次覆工やインバートのほか、前後の明かり部分で未着手の橋梁134mや路盤420mにも取り掛かる。