京都府は、23年度当初予算案に旧本館修復整備費として2270万円を計上。23年度は実施設計に取り掛かり、24〜25年度にかけて改修工事に着手していく模様だ。
同事業は、17年に策定の「京都府庁旧本館利活用検討委員会」(井口和起座長/前京都府立大学長)の提言を受け、23年度に予算化を目指すもの。
提言によると、国の重要文化財に指定されている府庁旧本館を「府民に開かれたシンボル」としてより広く府民に利用されるように、▽府民催事的機能▽ミュージアム機能・展示機能▽人と人との出会いの機能▽NPOなどが活用できる機能▽府民との情報共有機能▽やすらぎや憩いの機能▽行政庁舎としての機能―の7つの機能を持たせるものとしている。
具体的な利活用のイメージとしては、▽正庁(催事会場として多目的に活用)▽旧知事室(明治期の知事室として公開)▽旧議場(復原し公開)▽2階南側と2階四隅の室(貴賓応接室の復原・公開)▽1階東側と2階東側(府民交流、府民参画、府民協働エリア)▽1階西側と2階西側(情報共有エリアとして活用)―に配置するゾーニング案を提案しているほか、耐震化の必要性などが盛り込まれていた。
これを受け、府は実施設計費として2270万円を計上。旧本館の耐震化については見送ったものの、旧議場の復原、府民情報センターの移転、回廊等の改修を行うとしている。
旧本館は、京都府庁(京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町)の敷地中央に立地。煉瓦造一部石造2階建(一部地下室付)、延6099・35u(建築面積2822・43u)。明治37年竣工で平成16年には国の重要文化財に指定されている。 |