静岡県は、年間で約18万d(2009年度実績)発生する流域下水汚泥について、有効利用の処理検討業務を中央コンサルタンツ静岡事務所(静岡市葵区)に委託した。委託期限は3月22日まで。県内全域を対象に、マテリアル利用(建設資材利用・緑農地利用)やエネルギー利用(固形燃料化・バイオガス)などの有効利用事例を踏まえ、事業化への方策を検討するほか、今後の見通しを整理する。
県内で発生する下水汚泥は、09年度実績で約18万d。その処理には運搬費を含めて多額の費用を要している。
処分方法は各下水事業者から委託業者に委ねられているものの、大部分がセメント材料や肥料として有効利用が図られている。しかし、コンクリート需要の落ち込みにより、セメント受入が減少するなど、長期に安定した下水汚泥の有効利用が課題となっている。
一方で、地球温暖化対策などの観点から下水汚泥の有効利用として、ガス化や固形燃料化などバイオマスのエネルギー利用が注目されている。
そこで、今回の検討業務では、下水汚泥の有効利用の現状と課題を整理した上で、三つの要素(CO2削減、コスト削減、消費者の確保)を踏まえ、県内での事業成立の条件を調査する。
さらに、エネルギー利用を前提とした汚泥有効利用の施策として、必要となる施設の規模、運搬・収集方法、CO2削減効果、概算事業費などを算出する。
県では11年度以降も、汚泥の有効利用を事業として成立させるため、検討や調査を継続していく。
建通新聞社 静岡支社