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北海道建設新聞社
2011/01/27

【北海道】札幌市の11年度予算案、骨格ながら建設事業費5.7%増 

 札幌市は26日、2011年度予算案を発表した。4月に市長選を控えた骨格編成だが、地域経済の活性化を見据え一般会計は10年度当初比2.9%増の8464億円を積み上げた。普通建設事業費も5.7%増の705億円を確保。建設関連の主な事業では学校関係で北白石小・中の改築に着工。スポーツ施設では国際大会に対応可能な通年型カーリング専用施設の建設費に14億6400万円を計上した。市営住宅は14階建ての下野幌団地1棟154戸に取り掛かるほか、開園60周年に当たり年間入園者100万人を目指す円山動物園ではアジア館を新築。土木では、新御料橋通線に約5億円を投じ仮称・御料橋85mを新設するほか、あいの里・福移こ線橋など14橋の耐震補強と18橋の長寿命化を計画している。移転改築する白石区役所については基本計画策定費を措置した。 全会計の総額は10年度当初比2.2%増の1兆4198億6000万円。一般会計は3年連続で前年度を上回る規模となった。生活保護費や子ども手当など扶助費増加が主な要因だが、子どもや福祉分野における今日的な課題に対応する予算も手厚くした。6月に予定する肉付け補正の財源としては30億円を留保している。
 普通建設事業費は、市営住宅建設や学校整備などの市有建築物ストックマネジメントを重視したことで5.7%増の705億円に拡大。06年度以降は600億円台の推移だったが700億円台に乗せた。工事請負費も15.5%増の433億7700万円に上る。
 主な事業を見ると、建築では学校関連で北白石小・中改築をはじめ日新小増築、真駒内曙小屋体改築、屯田北中増築に取り掛かるほか、北九条小改築の実施設計費も盛った。市営住宅では下野幌団地1棟154戸の建設費に34億5400万円を措置。円山動物園では雪冷房設備を導入するアジア館に着工する。
 スポーツ施設は、国際大会に対応可能な5つの専用シートを有する通年型カーリング専用施設を建設。消防施設では北光・東苗穂統合出張所建設に4億5700万円を計上したほか、旧札幌星園高屋体跡地に新築する大通・豊水統合出張所は実施設計に着手する。
 新エネルギー・省エネルギー導入では、厚別と手稲の両区役所に10`hの太陽光発電を導入し、北白石地区センターをはじめ8施設では改修に併せ地中熱ヒートポンプなどの機器を取り入れ環境負荷の低減につなげる。市設街路灯のLED化は4000灯を整備する。
 また、再開発関連では計画が本格的に動きだす琴似4・2地区再開発事業への補助で3億4840万円を措置。
 このほか、北海道新幹線札幌延伸を見据えた将来的な都市整備に関連し、札幌駅交流拠点再整備構想を策定するほか、都心再開発で大きなポイントとなる南1条まちづくり計画も引き続き検討を進める。
 保健福祉関連では、保育所の待機児童対策として定員1300人増に伴う施設整備などの補助で約28億円を予算化。特養老人ホーム新築補助では広域型と地域密着型合わせ約6億円を組んだ。
 特別・企業会計では、土地区画整理会計で東雁来第2地区土地区画整理に約24億円を充て、載荷盛り土や道路整備などを促進。水道会計では、豊平川水道水源水質推進保全などの施設整備に約42億円、配水管整備に約38億円を投じる。下水道会計には、豊平川水再生プラザ第2処理施設反応タンク設備などの施設整備に約79億円、管路布設で約67億円を充てる。