北海道建設新聞社
2011/01/24
【北海道】10年の道内生コン出荷は4.7%減327万m³−民需復調
北海道生コンクリート工業組合のまとめによると、2010年の道内生コン出荷量は326万9800m³となり、前年に比べて4.7%減った。景気対策を図った09年度の補正予算により、官公需は3月までプラス要因となったが、4月以降は11月を除き前年同月を下回った。一方で民需は9月以降、札幌を中心としたマンション建設などの復調から前年を上回る出荷が続き、全体を下支えした。
官公需が192万4800m³、民需が134万5000m³の内訳。前年に比べ、官公需は4.2%、民需は5.3%それぞれ落ち込んだ。
月別で見ると、1―2月は官公需が3割以上伸びたことから前年同月を上回る出荷量となったが、4―8月は官・民需ともに前年同月に及ばず、毎月10%以上のダウンを強いられた。
しかし、9月からは民需が前年同月をわずかに上回る動きが続き、11月は27.9%増、12月は38.3%増となった。
地域別では、道南の3ブロックと札幌、十勝など11地区が前年を上回った。出荷量では札幌の84万7500m³が最も多く、伸び率では北根室の37.7%が最高だった。
札幌は官・民需ともに9月から復調の傾向を示した。官公需は、道財務局発注の公務員宿舎月寒東住宅PFI整備が主な要因。民需も10月以降、札幌駅周辺のビル建設や都心部を中心としたマンション建築から大幅な伸びを示し、12月は前年の2・3倍となった。
道南3ブロックは北海道新幹線整備の特需を追い風に軒並み増加。木古内や知内、福島といった地域で構成する南北海道は3.4%増、5月以降に需要の本格化を迎えた函館は23.1%、八雲や森などの北渡島は11.2%それぞれ増えた。
十勝も官民を問わず9月まで好調だったことから、18.6%の増加。大型ホームセンターや乳製品工場といった大型物件のほか、老健施設や庁舎、病院などの建設により秋口まで需要が続いたことが大きかった。
一方で、前年を下回ったのは室蘭や千歳、留萌など17地域。中でも空知は、砂川と滝川の両市立病院の建設で沸いた前年の反動が大きく、53.3%の大幅ダウンとなった。