北海道建設新聞社
2011/01/21
【北海道】道内初のクラウド連携へ電算共同化計画策定−留萌管内7町村
増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、遠別町、天塩町の7町村で組織する留萌地域電算共同化推進協議会(会長・舟橋泰博羽幌町長)は、留萌地域電算共同化基本計画をまとめた。道内では初となる自治体クラウド連携方式への移行を目指し、構成町村のシステム更改時期に合わせ、段階的に共同化を進める。2010年度末に更改時期を迎える増毛町と羽幌町で、11年度から中間段階として現行ベンダ利用方式による共同化を皮切りに順次着手する。
個別のシステムで運用している電算処理の共同化による経費削減と、業務の標準化、共同化による広域連携に向けた基盤づくりが目的。各町村業務システムや運用形態などの現状と課題について調査、検討し、14年度までを計画期間とする基本計画となる。留萌振興局地域政策課では「電算処理の共同化としては西いぶり広域連合があるが、クラウドについては道内では初と聞いている」と話している。
計画では、電算共同化の対象として、住民基本台帳、後期高齢者医療、公営住宅、上下水道など28種の業務としているが、このほかの業務についても事務作業効率化、コスト削減などワーキンググループで協議することとしている。
共同化の実施に当たっては、将来システムとして自治体クラウド連携方式を目指す。これは遠別町と天塩町の一部業務を除き、各町村が個別に自庁舎内などに設置しているサーバーに置いているデータを、外部のデータベース上(自治体クラウド連携基盤)に置いて運用する形態だが、環境整備に時間がかかる。しかしシステム更改時期が迫っている町村もあるため、暫定的に次期システムとして、同一ベンダのシステムを利用している町村ごとに共同化や業務の標準化を行う現行ベンダ利用方式へ移行する。
まず、システム更改時期が10年度末となっている増毛町と羽幌町で11年度から実施し、12年度は小平町と初山別村、13年度には遠別町と天塩町、両町とベンダが異なる苫前町は単独で行い、14年度から自治体クラウド連携方式へ向けて検討を行う。
計画では、さらなる行政の効率化を目指すためには、自治体クラウド連携方式の本格稼働時をめどに一部事務組合や広域連合といった特別地方公共団体の設立が必要とし、共同化作業と並行して検討する。