北海道建設新聞社
2011/01/20
【北海道】データセンター、25%がすでに利用−道が企業動向調査
道経済部は、道内企業を対象にデータセンター(DC)の利用意向調査を実施した。すでにDCを利用している企業は4社に1社。まだ利用していない企業の2割が、今後DCを利用する可能性があることが分かった。DCの選択基準では、運用コストを挙げた企業が8割に達した。
道では涼しい気候の利点を生かした環境配慮型DCの誘致を積極化しているが、道内企業によるDCの利用ニーズを探るため意向調査した。対象は売上高1億5000万円以上の全業種、1万5022社で、5560社から回答を得た。従業員数20人以下の企業が半数を占め、業種別では建設業が3割と最も多い。
DCは、25.8%の企業がすでに利用。従業員規模が大きくなるにつれて割合が高く、301人以上の企業では40.4%がDCを活用していた。
DCを最も利用している業種は情報通信業の50.4%で、以下、宿泊業・飲食サービス業の38.6%、医療・福祉の35.0%と続き、建設業は21.6%が活用していた。
DCを利用していない企業のうち、今後、利用を検討する可能性がある企業は18.5%。「利用する予定がある」と回答した1.6%と合わせて20.1%の企業がDCの利用に前向きだ。一方、「利用する可能性はない」と回答した企業も半数以上の54.5%に上った。
DCを利用する理由は、複数回答で「情報セキュリティーの強化」を挙げた企業が58.2%と最も多く、続いて「情報システムの運用が楽」が48.3%、「経済的だから」が47.7%を占めた。
DCの選択基準は、複数回答で「運用のコスト」を挙げた企業が82.3%に上り、以下、「情報保護の体制」が50.9%、「災害に対する安全性」が44.0%と続いた。
道が誘致に力を入れる環境配慮型DCについては「知っている」企業は16.2%にとどまった。「聞いたことはあるが内容はよく知らない」は24.5%、「知らない」は59.3%に上った。
今回の調査結果について道経済部は「今後、認知度が高まれば利用意向も増えるのでは」と分析。DCへの関心は、道内企業の大半を占める小規模企業で低いことが明らかになったため、道内でDC市場の拡大を図るには小規模企業のDCへの理解を深めるのが不可欠だと話す。