福島建設工業新聞社
2011/01/18
【福島】木の学校/子供の五感育む/公共建築木材化へセミナー
ふくしまの家地域活性化推進協議会(事務局=県耐震化・リフォーム等推進協議会)は17日、田村市船引町の学校法人若草学園わかくさ幼稚園で地域材利用建築物の建設促進に向けたセミナーを開き行政、関係団体、設計、施工者、製材関係者など約50人が参加した。
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の昨年10月1日施行に合わせ同法理解促進と、県内での産業活性化につなげようとこれまで2回研修を行っており、今回が総括となる。 初めに同協議会の宗形芳明県木材協同組合連合会専務理事が「一昔前まで公共建築物は鉄、コンクリートが近代化の象徴だったが、学校など低層建築物に木材利用が促進されることとなり、われわれ木材に携わるものには朗報。安定供給に向けこれに取り組んでいきたい」とあいさつした。
まず菅野典雄飯舘村長が「学校建築への地域材利用に関する取り組み」について講演。菅野村長は、木材をふんだんに使い15年度に竣功した飯樋小学校を紹介した。設計はプロポーザルにより選定した清水公夫研究所。子供に暖かさ、楽しい居場所など5つの目標に沿い設計された「学校らしくない学校」で、これまでが「管理のための学校」だったが、これを「子供の五感を育てるためのもの」とした。
また18年度にスタートした県森林環境交付金事業で、村内に県産間伐材利用の椅子、机、内装材、木製遊具を設置した。
こうした先進的な取り組みから今後の行政側の課題として@林業事業の体制づくりや国民のコンセンサスづくりA多目的活用のための工夫B地域材を活用するための工夫C子供の時からの木への接触D補助事業の充実E景観への活用―を挙げた。
パネルディスカッションでは三春をはじめ県内十数カ所の学校建築に携わった長澤悟東洋大学建築学科教授をコーディネーターに、会場となった木造平屋総延べ4100m2に及ぶわかくさ幼稚園設計者、清水公夫・清水公夫研究所代表取締役、瀬谷善寿県建築大工業協会相談役、早川英二田村森林組合代表理事組合長、八島信夫県建築安全機構理事長が意見を交換。