静岡県は、平島団地(藤枝市)、自由ケ丘団地(富士市)、袋井団地(袋井市)の3団地を対象にした再生基本計画策定をスギ建築事務所(静岡市駿河区)ら3者に委託した。老朽化により更新の時期を迎えた各団地の住棟を対象に建て替え、全面的改善、居住改善、用途廃止などの戸数やモデルプランを算出し、事業スケジュールや再整備方針を固める。委託期限は3月11日まで。早ければ2011年度にも整備方針の詳細を固める構え。
今回の委託では、老朽化した県営住宅の再生整備を実施するため、優先的に整備が必要な3団地を対象に団地別の再生基本計画を作成する。
1978〜79年に建設された平島団地(藤枝市平島)の計画策定をスギ建築事務所が担当する。同団地は、敷地面積9039平方bで、3棟(110戸)の住棟と集会所1棟からなる。
76年〜78年に建設された自由ケ丘団地(富士市五貫島)の計画策定を業務は小林建築事務所(清水町)に委託。8棟・300戸の規模で、敷地面積2万6192平方b。付帯施設として集会室1棟を有する。
また、76〜79年建設の袋井団地(袋井市青木町)の策定業務は、渡辺建築設計事務所(湖西市)に委託した。敷地面積は2万4416平方bで、8棟(290戸)の住棟と集会所2棟で構成される。
再生基本計画の策定業務内容として、主に@既存住棟の適法性調査A再生計画の方針策定B駐車場規模の設定C福祉施設の導入検討DゾーンニングE全面的改善対象住棟のモデルプラン作成F建て替え住棟のモデルプラン作成G再生基本計画図作成H事業費・事業スケジュールの検討G概算事業費の検討−などを進める。全面的改善については、整備後の日影規制など法的な適合性を検証する。
3団地を対象に建て替え、全面的改善、集会場、駐車場、幼児遊園、福祉施設用地など全体の配置図を作成する。事業スケジュールは、改善・移転の行動順序、施工可能方法、修繕履歴を踏まえ、今後の長期修繕計画や入居者の移転計画を立案する。
合わせて、自由ケ丘団地と袋井団地では、構造躯体の劣化状況などの調査を実施する。コンクリートの圧縮強度や塩分濃度を把握するほか、鉄筋の腐食、外壁のひび割れ、欠損、剥落(はくらく)などの状況を調べる。建物の沈下や壁の傾斜など構造の不具合の有無も調査する。
3月までの期間で計画策定・検討を進め、11年度以降に整備手法の方針を固めたい考え。具体的な整備着手時期などは未定。
建通新聞社 静岡支社