県総合計画審議会(関正夫会長)は、新年度からの新たな県総合計画「いきいき いばらき生活大県プラン」をまとめ、このほど橋本昌知事に答申した。そのうち今後5年間で重点的かつ分野横断的に推進する12の「生活大県プロジェクト」に、高速道路や広域幹線道路の整備、茨城港・鹿島港の定期航路の充実、霞ヶ浦再生に向けた下水道整備や水質保全、低炭素社会に向けた太陽光、風力などのエネルギー導入、間伐、交通渋滞対策の促進、観光客受け入れに向けた多言語表示の案内標識の整備―などを盛り込んだ。
総合計画は、「みんなで創る 人が輝く元気で住みよい いばらき」を掲げ、今後5年間に推進すべき施策や取り組みを、「住みよい」「人が輝く」「活力ある」いばらきづくりの3つの目標ごとに体系的に整理し、11の政策と60の施策が示された。また施策ごとに述べ203の数値目標が掲げられた。
「地域づくりの基本方向」では、県内を6ゾーンに分け、それぞれの地域特性に応じて重点的に取り組むべき地域づくりの方向を提示。
さらに、生活大県の実現を図るため、本県の先進性や優位性を最大限に活用しながら、今後5年間に重点的かつ分野横断的に推進する12の「生活大県プロジェクト」が示された。
そのうち地域医療関連では救命救急センターの整備、暮らしに関わる安心安全の取り組みでは交通危険箇所や交通安全施設の整備、子育て支援関連では院内助産所の整備促進、保育所整備、放課後における子どもの居場所づくりなどを盛り込んだ。
また、子どもと若者の育成関連では、科学教育に重点を置いた中等教育学校の設置など。
低炭素社会の実現に向けては、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの導入促進、交通渋滞対策の促進、間伐の実施や平地林・里山林の整備、間伐材などの県産材の利用促進などを掲げた。
また、泳げる霞ヶ浦再生の取り組みとして、下水道整備などによる生活排水対策の推進、森林の適切な整備・保全、河川・海域の水質保全などを挙げた。
質の高いライフスタイル創造に向けては、バリアフリー化など住環境の整備、公共交通や交通環境の整備、ユニバーサルデザインに配慮した地域づくりの推進。
アジアへ広がる観光交流推進としては、近隣都県と連携した広域観光ルートの形成、観光客受け入れに向けて多言語表示の案内標識の整備など。
そして、交流を支える広域交通ネットワークを充実させるべく、高速道路や広域幹線道路の整備、茨城港・鹿島港の定期航路の充実、新たな物流ルートの構築などを掲げている。
答申にあたり、関会長は橋本知事に計画の趣旨・内容を広く県民に周知すること、生活大県プロジェクトに優先的に取り組むこと、適切な進行管理を行うことを求められ、知事は「生活大県プロジェクトなど横の連携を図りながら県をあげて取り組んでいきたい」などと答えた。
県では、この答申を踏まえ、年度内に計画を決定する予定。
生活大県プロジェクトのうち、ハード関係は次のとおり。
【地域医療充実プロジェクト】
◆救急医療(搬送)体制の充実(救命救急センターの整備など)
【暮らしの安全・安心プロジェクト】
◆交通安全対策の充実(交通危険箇所や交通安全施設の整備など)
【社会全体で取り組む子育て支援プロジェクト】
◆安心して妊娠・出産・子育てができる環境の整備(院内助産所の整備促進など)
◆子育て支援の充実(保育所整備、放課後における子どもの居場所づくりなど)
【未来を担う子ども・若者育成プロジェクト】
◆いばらきの科学技術を担う人づくり(科学教育に重点を置いた中等教育学校の設置など)
【低炭素社会実現プロジェクト】
◆グリーン・イノベーション創出と再生可能エネルギーの導入促進(太陽光、風力などの再生可能エネルギーの導入促進など)
◆交通関連対策の推進(交通渋滞対策の促進など)
◆森林吸収源対策の推進(間伐の実施や平地林・里山林の整備、間伐材などの県産材の利用促進など)
【泳げる霞ヶ浦再生プロジェクト】
◆水質保全対策の推進(下水道整備などによる生活排水対策の推進、森林の適切な整備・保全など)
【質の高いライフスタイル創造プロジェクト】
◆人にやさしい地域づくり(バリアフリー化など住環境の整備、公共交通や交通環境の整備、ユニバーサルデザインに配慮した地域づくりの推進など)
【競争力ある産業育成と雇用創出プロジェクト】
◆国際競争力ある産業の集積促進(企業の戦略的な誘致の推進など)
【アジアへ広がる観光・交流推進プロジェクト】
◆国際観光・広域観光の推進(近隣都県と連携した広域観光ルートの形成など)
◆観光客受入体制の整備(多言語表示の案内標識の整備など)
◆交流を支える広域交通ネットワークの充実(高速道路や広域幹線道路の整備、茨城港・鹿島港の定期航路の充実、新たな物流ルートの構築など)
提供:日本工業経済新聞