建通新聞社四国
2011/01/07
【徳島】桑野道路を新規事業化 政府予算案
2010年12月24日に閣議決定された11年度政府予算案で、阿南安芸自動車道・桑野道路が全国4カ所の国直轄道路新規事業個所のひとつとして採択された。11年度の事業費は1億円を盛り込んでおり、調査等に入る見通し。また、長安口ダム改造事業には対前年度比210%増の29億7700万円が計上され今後、事業の進捗が図られることになる。
桑野道路は、福井道路とともに現在、整備中の四国横断自動車道と完成間近の日和佐道路を連絡する地域高規格道路・阿南安芸自動車道(阿南市〜高知県安芸市・延長約110`)の一部を構成。四国東南部における高速道路の空白地帯を解消し、「四国8の字ネットワーク」の形成に欠くことのできない道路として整備される。阿南市下大野町を起点とし同市内原町に至る延長6・5`(2車線・設計速度80`)。全体事業費は約340億円。
長安口ダム改造事業は、那賀川流域の洪水被害の軽減などを目的に▽クレストゲートの新設▽減勢工の改造▽選択取水設備の設置▽堆砂除去などを行い、洪水調節機能等の強化を図る計画。10年度には、クレストゲート新設工事に必要となる本体関連工事として貯水池内に設置する仮設構台工事に着手。また、ダム上流部の堆砂対策については、堆砂除去作業を引き続き実施し、ダムの有効貯水容量の確保に努めている。総事業費は約400億円を見込んでおり、このうちダム改造工事への投資額は約200億円を見込んでいる。
これを受け飯泉知事は、桑野道路について「東南海・南海地震における緊急輸送道路の確保や救急医療施設への搬送時間短縮など「命の道」として、さらには県南地域の経済活動や観光振興に大きく寄与する道路として大いに期待している」。長安口ダム改造事業については「『那賀川の再生』に向けた取り組みが加速されるよう、国土交通省と連携し、積極的に取り組む」とコメントを出している。