北海道建設新聞社
2011/01/06
【北海道】道内IT産業、09年度の売上高は4000億円に届かず
道内IT産業の2009年度売上高は、前年度を5.5%下回る3956億円だったことが、北海道IT推進協会の実態調査で明らかになった。売上高が4000億円台を下回るのは06年度以来3年ぶり。10年度はやや回復し、4125億円に上ると見込んでいる。
北海道経済産業局が調査していたが、06年度以降は同協会が主体となって実施している。昨年夏から秋にかけて、ソフトウエア業やシステムハウス業、情報処理・提供サービス業、インターネット付随サービス業などを営んでいる道内の790事業所に調査票を送付。40.6%に当たる321事業所から回答を得た。事業所の約8割は札幌市内に拠点を置いている。
09年度売上高の大半は、ソフトウエア業と情報処理・提供サービス業によるもので、全体の79.5%を占めた。内訳は、ソフトウエア業が50.6%の2000億円、情報処理・提供サービス業が28.9%の1143億円。
道内主要製造業でのIT産業の売上高は、食料品製造業と鉄鋼業、パルプ・紙・紙加工品製造業の3業種に次いで多く、工業出荷額割合は全体の7.7%に上っている。
顧客割合は、道内外の同業他社が19.9%で最多。以下、官公庁15.2%、卸・小売・飲食店11.5%、運輸・通信業7.4%、製造業・鉱業6.8%と続いた。建設業は2.2%だった。
一方、組み込みソフトウエア開発など研究開発に要する09年度の投資額は17億4200万円。10年度は18億1600万円に増える見通しだ。
従業員数は1万9950人で、食料品製造業の8万3011人に次いで2番目に多い。製造業全体の11.4%の雇用を支えている。
経営課題として最も多かったのは営業力強化。力点を置く技術分野としては、業務アプリケーションとクラウドコンピューティングの2分野を挙げる企業が多かった。クラウドコンピューティングについては、すでに取り組んでいる事業所が13.2%、事業化に向けた検討を進めている事業所が36.6%で、半数の企業が関心を持っていることが明らかになった。