北海道建設新聞社
2010/12/13
【北海道】2011年度の道内経済は実質ゼロ成長−道銀見通し
北海道銀行は10日、2011年度の道内経済見通しを発表した。国内経済が踊り場状態を脱するとの見通しから、実質成長率はプラス0.1%(10年度見込みはプラス0.2%)になると判断。ただ、持ち直しの動きは緩やかとなる可能性が高く、道銀では「数字はプラスになっているが、実質的にはゼロ成長」(経済産業調査部)と話している。
11年度の道内経済を需要面から見ると、家電エコポイント制度など消費刺激策の終了に伴い、家計の消費抑制傾向は10年度よりも強まると分析。これに伴い、個人消費は弱含みのまま推移すると判断している。
住宅投資は、持ち家と分譲住宅、特に分譲マンションの持ち直しが続くが、供給過剰状態にある貸家は思うように伸びず、10年度と同水準になるとみている。新設住宅着工戸数は、10年度見通しと同じ2万8800戸程度を予測している。
設備投資は、企業の慎重姿勢が持続し、製造業、非製造業ともに10年度をやや下回ると判断。
公共投資については、11年度当初の北海道開発事業費は10年度と同規模だが、景気が再び持ち直しに向かうことで補正予算規模が縮小し、総体としては減少するとみている。移輸出は道外需要の持ち直しで、2年連続のプラスになるとしている。
一方、実体経済に近い名目の成長率は限りなくゼロに近いと判断した。名目の道内総生産額は17兆8235億円で、10年度見通しとほぼ同じ。
民間消費が11兆3036億円、住宅投資が4108億円、設備投資が1兆3032億円、政府消費が5兆1258億円、公共投資が1兆1491億円の内訳で、公共投資は、10年度見通し比で4.5%の減となる。
道銀は、移輸出の拡大が道内の経済成長率を高めることにつながると指摘。本道の強みである「食」と「観光」の付加価値向上が求められているとしている。