静岡県は、緊急治水対策や県庁舎の修繕・改修費などを核とした12月補正予算の追加分として、投資的経費107億2100万円を含む総額266億6100万円を計上した。11月26日に成立した国の「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」の補正予算に呼応したもの。道路や河川などゲリラ豪雨への防災対策を含めた国庫関連事業費には、79億7900万円を盛り込んでいる。施設改修費として県庁の受変電設備を修繕するほか、特別支援学校、職業訓練学校などの空調設置などに予算配分する。現在開会中の県議会12月定例会に予算案を提案する。
耐震化やゲリラ豪雨対策のうち、国庫関連公共事業費として、国道150号など道路構造物の保全対策に23億2100万円、巴川などの緊急治水対策に26億0600万円、浜松篠原海岸の高潮・津波対策に2億円、安良里坂本川などの緊急土砂災害防止対策に7億3700万円、本市場大渕線の街路渋滞対策・交通円滑化に3600万円を計上した。
さらに国庫関連公共事業では、国道473号の幹線道路ネットワーク整備(6億2000万円)、牧之原坂部などの農業基盤整備(1億9000万円)、静岡市葵区の久能尾などの林地復旧・治山事業(1億8400万円)、青野八木線の林道網整備(4400万円)などに予算配分する。
農山漁村地域整備の交付金事業では、下田漁港の陸閘整備助成(600万円)、山崎など農業生産基盤整備(8億2600万円)、竹ノ沢線などの林道整備(2億0900万円)に予算を充てる。
《県庁や出先機関、沼津署などで改修を計画》
一方、県庁舎などの施設整備には、総額3億7720万円を配分。
県庁舎(静岡市葵区追手町9ノ6)には8130万円を投入し、井水給水管の改修、受変電設備の修繕、窓ガラスの飛散防止フィルム貼り替えなどを実施する。
このほか、総合庁舎では合併処理槽設備や電波障害対策施設の撤去に2240万円、出先機関の建物や工作物の修繕に5500万円、校舎や体育館などの修繕に2億営円を充てる。沼津警察署(沼津市平町19ノ11)の吸収式冷温水器と冷却塔の更新に1850万円を計上している。
試験研究機関の環境改善として、工業技術研究所の研究室で設備改修を計画。恒温恒湿室の空調設備の更新に1100万円を投じる。
県立中央図書館(静岡市駿河区谷田53ノ1)では、利用者の利便性向上を図るために設備改修を実施する。閲覧室などの空調設備の改修や防火関係設備、非常用照明設備の修繕に1億3000万円を盛り込んだ。
グランシップ(静岡市駿河区池田79ノ4)では、機器の更新や設備改善に着手する。中ホールの舞台床塗替えに500万円、大ホールの照明設備や映像スイッチャーシステムの更新に6000万円、エスカレーター落下防止柵の設置に1000万円を計上した。
特別支援学校の教育環境の充実を図るため、障害の重度・重複化に対応した改修や教育用機器を整備する。体温調整が困難な児童・生徒の教育環境改善のため、普通教室への空調設置に1億2000万円、洋式トイレの増設や車イス対応トイレへの改修に3000万円、補聴システムの整備や給食厨房用設備の更新に5000万円を充てる。
あしたか職業訓練学校(沼津市宮本5ノ2)では、2300万円を投入し、寮居室に冷房に対応した空調設備を設置する。さらに、吉原林間学園(富士市大淵2781ノ1)や東部・中央一時保護所のトイレ洋式化などの整備には3838万円を計上した。
建通新聞社 静岡支社