年末に向け建設業者の資金繰りの円滑化を少しでも図ろうと、県の企業局や土木部、農林水産部は、資金調達制度の改正や活用を(社)県建設業協会(岡部英男会長)に要請した。制度改正では、中間前払金について、添付書類である下請代金支払計画書の提出を不要とする。また、中間前払金と部分払金の両方の利用はできなかったが、中間前払金を支払った後も部分払金も支払えるようにした。これら以外にも、県建設業振興資金(債権譲渡)や地域建設業経営強化融資制度(同)について、中間前払金や部分払金と一緒に活用できるため、県では「年末に向けた資金対策などに活用を」と呼び掛けている。土木部では改正内容などを出先事務所に通知しており、出先事務所が請負業者などに周知する。
土木部では、1日に県庁を訪れた茨建協の岡部会長ら幹部に、今回の制度改正の趣旨や内容を説明。説明を受けた岡部会長は「大変にありがたい制度で、配慮に感謝する」などと応じた。
中間前払金は、発注者が、当初の前払金(請負金額の4割)に加え、工期半ばで請負金額の2割を追加して支出する制度。保証会社が保証を行う。請負額500万円以上の工事が対象で、発注者が条件に該当するかを認定するとともに、請負業者が保証事業会社と保証契約を締結し、保証証書を県に寄託することを条件に、請負金額の2割まで支払う。
県では同制度を平成16年4月から適用しているが、他県などと比べて利用が少ない。そのため、請負業者の資金繰り対策の一環として制度を改め、活用を促進することにした。
具体的には、中間前払金について、提出を求めていた認定申請書の添付資料のうち、下請代金支払計画書の提出を不要とする。また、中間前払金と部分払金は両方の活用はできなかったが、中間前払金を支払後も部分払金の支給もできるようにした。逆に、部分払いを請求後は中間前払金の支給はできない。
以上の改正以外にも県では、請負金額の9割までの融資が受けられる県建設業振興資金(債権譲渡)、出来高に応じた融資に加え保証事業会社の保証により未完成部分の施工資金も金融機関から融資を受けやすくする地域建設業経営強化融資制度(同)も設けており、「少しでも経済活性化に貢献していく」(土木部)考え。
土木部では、これらの制度の活用促進を出先事務所にも通知しており、出先事務所が管内の請負業者などに周知していく。
制度の問い合わせや要望などは、監理課建設業担当まで(電話029−301−4334)。
提供:日本工業経済新聞