県公共事業評価委員会(委員長・西井和夫流通科学大学教授)は、これまで評価進めていた「事前評価5事業」、「再評価6事業」、「事後評価19事業」をまとめ、意見書をこのほど、横内正明県知事へ提出した。
事前評価5事業は、実施が妥当と判断したもので、▽畑地帯総合整備事業落合湯沢地区(南アルプス市)▽畑地帯総合整備事業岩手地区(山梨市)▽畑地帯総合整備事業黒駒西地区(笛吹市)▽街路事業太田町蓬沢線ほか2路線(甲府市)▽街路事業田富敷島線富竹工区(甲斐市)−。しかし、新たに予算化しようとする箇所については事業の妥当性を評価したものであるため、事業実施は予算確定後としている。
同個別事業に対する意見で落合・湯沢地区は、立ち後れている農道や水路を整備し、農作業の効率化、観光農業への展開に向け、農地集積し作物ごとの団地化を促進するための区画整理を行うもの。農業従事者の高齢化や後継者不足による耕作放棄地の増加など事業対象地域の課題解決のため、農業生産基盤の強化による農作業の効率化、農業経営の安定化を図る必要があると判断された。
岩手地区は営農効率を向上させる農道・水路などの基盤整備と担い手への農地集積、作物ごとの団地化のための区画整理を行う。農作業の効率化省力化とともに、サクランボの観光農園拡大や転換を図り農業経営の安定化を目指す上で整備が必要とされた。
黒駒西地区は、農作業の効率化だけではなく、観光農園へのアクセス性向上のため農道整備及び用排水路整備、担い手への農地集積や作物ごとの団地化を促進させるための区画整理を行う。基盤整備による農作業の効率化、観光型農業の促進取り組みによる農業経営の安定化を図る上で必要。
また街路事業で太田町蓬沢線ほか2路線は、甲府市幸町地内において段違いの状態での交差や信号間距離が短いことによる交通渋滞が慢性化している遠光寺周辺で十字交差点として整備するもの。自転車歩行者の安全性確保、地域ニーズの対応の観点から整備が必要と評価された。用地確保及び用地補償は事業費と事業区間に影響するため、地元との合意形成を図りながら進める。
同田富敷島線は、竜王駅周辺の慢性化交通渋滞の解消のため、甲斐市富竹新田地内において新たな新設道路として整備するもの。既に一部供用されている整備済み区間と之ネットワーク効果の発現の観点から整備必要とする事業と評価。用地補償のための事業費確保及び工事期間中の国道20号関連交通処理の関係から10年を超える事業期間となり、事業実施にあたり時間管理の徹底を図るとした。
なお、再評価6事業は、計画を見直した上で継続することが妥当と判断された▽森林基幹道開設事業細野鹿留線(都留市)や、内容を見直し工期変更した上で継続することが妥当とした▽中山間地域総合整備事業敷島地区(甲斐市)▽治水事業古川(韮崎市)▽下水道事業桂川流域下水道(富士吉田市ほか4市町)▽下水道事業富士北麓流域下水道(富士吉田市ほか3町村)▽治水事業鎌田川(甲府市と中央市)などがある。
提供:山梨建設新聞