土浦市都市計画課は、一昨年7月に休止していた土浦駅前北地区の再開発を「施設棟のみの整備」に縮小した上で、ことし9月から再開した。今年度は事業縮小に伴い、第一種市街地再開発事業地区と高度利用地区を縮小する都市計画の変更を行うほか、鰹コ和設計(東京事務所=東京都目黒区)で設計単価の見直しなどを行う。順調に進めば来年7月には建設工事に着手したい考え。
この事業は、空洞化の進む土浦西口周辺地区の魅力化、活性化を図るため、図書館を核とした施設棟と住宅棟(19階建て約120戸)を整備するもの。
当初、基本設計で工事費を約62億円(施設棟37億円、住宅棟25億円)としていたが、応募者が無かったため、9億円を増額した約71億円(施設棟42億円、住宅棟29億円)で再公募を検討。マンション分譲への不安感などから、施設棟のみのゼネコン公募とし、実施設計を進めた。
しかし、一昨年7月にまとまった実施設計では、施設棟の工事費に予想を上回る約51億円が示されたため再公募はせず、事業自体を休止していた。
休止から1年以上が経った昨年の9月市議会で、中川清市長は再開発事業について方向性を明示。市民ニーズを踏まえた上で、図書館を核とした施設棟のみの整備を進める意向を表明し、昨年度に鰹コ和設計でコーディネート業務を委託し、事業計画を立てた。
そして、ことし6月と8月に開催された市公共事業再評価委員会(委員長=藤川昌樹筑波大学大学院教授)において、施設棟のみでの事業再開が「妥当」と判断されたため、9月から事業を再開。今年度分のコーディネート業務を鰹コ和設計に委託し、設計単価の見直しなどを進めている。
また施設棟のみの整備とすることに伴い事業区域が狭まるため、第一種市街地再開発事業地区と高度利用地区を、当初の1haから0・8haに縮小する。12月に案の縦覧を行い、来年1月下旬にも都市計画審議会を開催。来年3月ごろの都市計画決定を目指す。
順調に進めば、来年7月に施設棟の建設工事に着手したい考え。
施設棟の規模は、S造6階建て延べ1万6952・6u。1階と2階は駐車場、駐輪場、業務店舗を配置し、3階に情報センター、美術品展示室、出張所、業務店舗。4階と5階には図書館を整備する。
提供:日本工業経済新聞