静岡県は、改築を計画している草薙体育館(静岡市駿河区栗原19ノ1)の基本・実施設計を12月初旬にも公募型プロポーザルで公告する。建材は地元産材を使用する方針で、現状より約1・5倍の広さとなる延べ1万3000平方bを確保。11月30日に開く第1回の審査委員会で募集要件などを協議し、12月初旬から公募を開始する。応募者を約10者に絞って順位付けし、設計者を選定する予定で、設計委託費は1億6500万円(土質掘削調査費を含む)を見込んでいる。
隣接する現・静岡学園の跡地に建て替える新体育館の規模は、現体育館(鉄筋コンクリート造3階建て延べ8486平方b)を面積比で53%上回る1万3000平方bを想定。現体育館では2面の公式バスケットボールコートは4面分を設けるほか、観客席は現在とほぼ同数の3340席分の収容人員を確保する。
東海地震に備えて耐震性を確保し、災害時の防災拠点としての機能を高める。ユニバーサルデザインを全面導入するほか、建設に当たっては県産材を積極的に利用。防音性などにも配慮し、周辺への騒音の軽減を図る。
設計者の選定に当たっては、公募型プロポーザル方式を採用。公募型コンペ方式に比べ、設計内容だけでなく各設計事務所の技術力や設計姿勢などを総合評価する。
選定委員会のメンバーは、都市計画の専門家である早稲田大学特命教授の伊藤滋氏、建築家の長谷川逸子氏、東京大学名誉教授の藤森照信氏、アムズ環境デザイン研究所代表の高木敦子氏に加えて、利用団体の代表や県担当者を含めた7人で構成する。
今後のスケジュールとして、11年3月をめどに設計者を決定し、11年度末までの期間で設計を進める。順調なら12年度にも本体着工し、15年春の完成を目指す。
県では、静岡学園跡地への建て替え方針決定の主な理由として、「総合運動公園としての機能充実」を挙げている。新体育館が完成するまで供用する現体育館については、11年度の上半期にも耐震補強整備に着手する。現体育館の解体後の跡地は、緑地などへの活用を検討している。
建通新聞社 静岡支社