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北海道建設新聞社
2010/11/24

【北海道】災害時のガラス飛散防げ−特殊フィルムの専門業者が推進協

 自動車や建築用ガラスに携わっている道内の専門業者12社が、学校や病院など公共施設での災害時のガラス飛散対策に一役買おうと、北海道環境災害対策フィルム推進連絡協議会を発足した。厚さ0・05_程度の特殊なフィルムを窓の内側から張ることで、災害時でもガラスを割れにくくする「飛散防止フィルム」の普及を目指す。フィルムは紫外線防止や断熱性の効果があり、省エネなど環境性能も備えている。スクールニューディールを検討している自治体を中心に認知度を高めていく考えだ。
 1日に設立した。会長にワタナベガラスの渡辺充規社長、副会長に安全(本社・北見)の主藤雅裕社長と曲ヨ寺田硝子店(同・岩見沢)の寺田義弘社長がそれぞれ就いた。事務局は札幌市白石区のワタナベガラス内に置く。
 地震や台風などで窓ガラスが割れた際、ガラス片の飛散で二次災害が起きないよう「飛散防止フィルム」の普及を目指す。学校や公民館など地域の指定避難所となっている公共施設を重点に活動を展開。非構造部材の安全性を確保することで、避難施設としての本質的な機能を満たすよう関係者に呼び掛けていく。
 フィルムは日射調整や遮熱性能があり、省エネ性能にも優れている。空調や暖房機器の効率を高められ、光熱費やCO?排出量の削減にも貢献できるという。
 会員の大半が自動車用ガラスの専門会社のため、技術には絶対の自信を持つ。車のフロントガラスは丸みのある形状で、フィルム施工には技術や経験が必要。それに比べて建築用ガラスは平面なため、自動車フィルムで培った技術を用いれば高いレベルの施工を提供できるという。
 メンバーは、厚生労働省のガラス用フィルム施工技能士が中心。今後も資格者を輩出し、組織を挙げて技術力の底上げを図る考えだ。
 渡辺会長は「環境と防災の両面で優れた飛散防止フィルムの良さを広く知ってもらえるよう努め、避難施設などでの採用を通じて、安心・安全な地域づくりに一役買いたい」と話している。