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建設経済新聞社
2010/11/16

【滋賀】新・野洲クリーンセンター基本構想(案) 25年度着工メド、建築面積3万uを想定 概算総事業費 64億7000万円

 野洲市は、ごみ処理施設整備基本構想(案)を取りまとめた。老朽化した野洲クリーンセンター(焼却処理施設・粗大ごみ処理施設・資源化施設[容器包装])を建て替え更新し、ごみの適正処理や資源化の推進に加え、エネルギー回収の推進を図るため、28年度からの施設供用開始を目処に、新・野洲クリーンセンターを整備するもの。今後、用地が確保できれば、設計・調査等へと進めたい考えで、25年度の建設工事着手を見込んでいる。
 野洲クリーンセンター(野洲市大篠原3333−2)は、昭和57年4月に焼却処理施設が稼働を開始して以来、平成21年3月末で27年が経過。野洲市の一般廃棄物(ごみ)の中間処理施設として役割を果たしてきたが老朽化が進み、焼却施設は27年度末には稼動後34年経過、粗大ごみ処理施設も30年経過となり、主要設備の耐用年数を超えた延命化を図ろうとする上で、通常の維持管理・点検保守では使用の継続が限界に達することが判明。28年度を目処に更新(建て替え)することになった。
 新・野洲クリーンセンターは▽エネルギー回収推進施設▽マテリアルリサイクル推進施設(資源化施設)▽リサイクル啓発施設▽余熱利用施設−などで構成される。
 施設規模は▽エネルギー回収推進施設=約45t/日[燃えるごみ、マテリアルリサイクル推進施設から出てくる可燃残渣、災害ごみ]▽マテリアルリサイクル推進施設=約10t/日[不燃ごみ、粗大ごみ、ペットボトル、(プラスチック容器包装)]−。
 処理方式は、エネルギー回収推進施設が『焼却方式(ストーカ方式)』。マテリアルリサイクル推進施設の資源化施設(リサイクルセンター)は▽『直接売却モデル(現状)』=「燃えるごみ」を焼却、資源ごみ・粗大ごみをリサイクルし、資源ごみのうち「空カン・金属類」、「空きビン」、「新聞紙・ダンボール・雑誌類・古布類」は直接売却▽『サーマルリサイクル+直接資源化モデル@』=「燃えるごみ」、「プラスチック容器包装類」を混合収集・焼却し、「空カン・金属類」、「空きビン」、「新聞紙・ダンボール・雑誌類・古布類」は、現状どおり、直接売却−。
 新たに整備する施設に付帯させる余熱利用施設(▽A案=スポーツセンター温水プール25m×6コース▽B案=農園ビニールハウス56m×5・4m×7棟)は、利用者の利便性を考慮。外部へ熱供給を行う場合は、熱収支の把握に基づき、年間を通した確実な熱需要調査および地域特性、市民のニーズに基づいた施設を計画する。
 リサイクルセンターは、ごみ処理機能に加え、リサイクルに対する意識啓発ができる機能を備える。リサイクル啓発施設の機能は▽中古品や不用品の『修理・再生』▽再生品の『展示・提供』▽ごみ処理やリサイクルに関する『情報提供・学習』▽バザー、イベント等の『地域活動・コミュニティ形成の支援』−。
 啓発施設における各居室の概要は、修理・再生(工房、工作室等)および展示・提供(展示室、展示コーナー等)が約100u/室(10m×10m)、建築工事費約2000万円/室。情報提供・学習(情報コーナー、図書室等)および地域活動・コミュニティ形成の支援(研修室、会議室等)は約60u/室(6m×10m)、建築工事費約1500万円/室。
 各工場棟、受入ごみや処理後生成物の貯留ストックヤード等の必要面積は、施設規模から概算すると建築面積3万u。各建屋の内訳は▽工場棟(焼却施設)=2800u(80m×35m)▽工場棟(リサイクルセンター)=2100u(70m×30m)▽ストックヤード=450u(45m×10m)▽管理棟=1500u(60m×25m)▽洗車・車庫棟=350u(35m×10m)▽地域還元施設(余熱利用施設)=1970u(A案の場合)▽駐車場=2020u(乗用車70台、バス2台程度を想定)▽道路=9010u▽緑地=9800u(A案の場合)−。敷地は3万u(200m×150m)程度を想定。森林緑被率は敷地面積の20%以上上とする。
 概算総事業費は64億7000万円(焼却施設39億7000万円、リサイクルセンター25億円)。焼却施設の内訳は▽建設=37億2000万円(プラント設備22億3200万円、土木建築14億8800万円[建屋4億9600万円、建屋以外9億9200万円])▽造成=2億5000万円−。リサイクルセンターの内訳は▽建設=22億5000万円▽造成=2億5000万円−。
 事業計画では、22年度〜25年度にかけて測量・地質調査、生活環境影響調査、都市計画決定等の諸手続きを実施。25年度〜27年度にかけて建設を行い、28年度からの稼動開始を目指す。循環型社会形成推進交付金や地方債を活用し、財源の確保・資金調達を行う。公設公営、公設民営、民設民営等の事業手法の導入にあたっては、事業の安定性・安全性と、経済性・効率性の面から、その施設の置かれている周辺環境や地域性などを、経過も踏まえ総合的に検討する。
 なお、建設用地の候補地については、野洲市大篠原地先の現・野洲クリーンセンター隣接地が適するとし現在、地元自治会に新施設の受入を依頼している。
 基本構想策定・適地調査業務は環境技術研究所(大阪市西区)が担当。