北海道建設新聞社
2010/11/12
【北海道】2011年度着工の円山動物園アジア館、園内初の雪冷房導入
札幌市円山動物園は、9月に閉園したキッドランド跡地に建設する「アジア館」について、2011年度早々の発注、7月の着工を目指している。基本設計段階でRC造、平屋、延べ約2000m²を見込み、工事費約7億4000万円を試算。環境対策として新エネルギーも積極的に導入する方針で、園内施設では初めて雪冷房システムを取り入れる。
隣接地に13年度着工予定のアフリカ館とともに、円山動物園魅力アップの一翼を担う。
施設は「寒帯」「高山・ヒマラヤ」「熱帯雨林」各ゾーンの3棟で構成。各ゾーンごとの面積は、アムールトラやユキヒョウなどが入る「寒帯」を約680m²、レッサーパンダやヒマラヤグマを展示・飼育する「高山・ヒマラヤ」を約380m²、マレーバクやマレーグマ、テナガザルを見せる「熱帯雨林」を約820m²で想定している。
新エネルギーは、太陽光発電と雪冷房システムを高山・ヒマラヤゾーンに導入するほか、熱帯雨林ゾーンにはペレットボイラを採用。園内初の雪冷房は、CO?排出とエネルギー消費の削減とともに、飼育動物の生態に配慮した自然な冷熱を与える狙い。これらの事業費には1億2500万円を見込んでいる。
動物園では、07年度に策定した円山動物園基本計画に基づき施設の整備充実に取り組んでいる。09年度に野生復帰ゾーン・自然体験ゾーンに続き、10年4月にはエゾヒグマ館がオープン、11年度中には新は虫類館と立て続けにリニューアル。アジア館も12年10月には完成する予定だ。
ハード・ソフト両面から魅力アップを図り、開園60周年を迎える11年度の年間入園者100万人を目標にしている。