野洲市は、野洲駅南口駅前広場整備計画(案)を策定した。駅前広場の現状と問題点を踏まえ、安全安心・にぎわい・景観をコンセプトに、歩道のバリアフリー化や照明、バスプール、一時駐車場の設置、電線類の無電柱化、緑のボリュームアップなどを盛り込んでいる。22年度に実施設計を行い、23年度から工事のスケジュールだ。事業費は3億8500万円。
JR野洲駅南口駅前広場(野洲市小篠原)の現状は、バス・自家用車の駐車場が無く、タクシー待機場が狭いなど、車両の路上待機により交通に影響が生じているほか、歩行者主動線が車道と交差し、視覚障害者誘導用ブロックの未整備区間があり、横断勾配等でも安全性に問題。さらに、景観(街の顔)・交流(集い、賑わい)等の機能を担うオープンスペースや、都市空間に潤いとやすらぎを与える「緑」が、少ない。
計画(案)によると、計画策定の指針となるコンセプトは▽安全安心のために▽にぎわいのために▽景観のために−。
「安全安心のために」では▽歩道改良(バリアフリー化)を行うことで段差を解消、人にやさしい歩行者空間の創設▽歩行者優先の照明を設置し防犯機能を向上させ、明るい駅前の実現▽渋滞の緩和・退出動線の確保を図るため、進入路に右折レーンを設置−。
「にぎわいのために」では▽スムーズな乗り降り、バスとの輻輳を解消するために自家用乗降スペースの設置▽買物や集い、送迎等のしやすさを実現するために一時駐車場(30分無料)の設置▽バスの路上待機の解消、広場の有効利用のためにバスプールを設置−。
「景観のために」では▽景観に配慮し、広い歩道を確保するために電線類の無電柱化を実施▽心やすらぎ、潤いのある駅前緑化とするために緑のボリュームアップ(目標10%)を実施−。
整備面積約6000u。計画事業費3億8500万円。構成は▽交通結節点機能=鉄道交通と道路交通との乗り継ぎを円滑かつ効率的に処理する機能▽都市の広場機能=都市の玄関口や人々の交流の場としての役割−。
「交通結節点機能」の施設は▽バス乗降場=バス乗降場バース(3台)、バス待ち客滞留空間▽バスプール=バス駐車場(4台)▽タクシー乗降場=タクシー乗降場バース(乗車場1台、降車場1台)、タクシー待ち客滞留空間▽タクシープール=タクシー駐車場(10台)▽自家用車=自家用車乗降バース(5台)、福祉用乗降(停車)バース(1台)▽駐車場(8台)▽車道、歩道−。
「都市の広場機能」は▽交流機能=人々が集い、賑わい、語らうオープンスペース▽景観機能=野洲市の「顔」として、野洲らしさを感じることの出来る公共空間▽サービス機能=公共的サービス(トイレ、電話等)、情報提供の場▽防災機能=防災活動拠点としてのオープンスペース−。
事業スケジュールは▽22年度=実施設計▽23〜25年度=工事−。実施設計については22年度、野洲駅周辺地区のまちづくりに関する継続的な話し合いの場として設置予定の『野洲駅周辺地区づくり協議会(仮称)』に計画を諮る予定。
野洲駅南口駅前広場設計業務はエイト日本技術開発大津事務所(大津市)が担当。
なお、計画(案)は市民の代表、商工会、JR等の野洲駅周辺の関係者、学識経験者の意見を聴き、公安委員会等の関係機関と協議の上、作成した。11月末まで一般からの意見も募り、計画を策定する。