2日に開催された、第5回公共事業評価委員会で「鎌田川治水事業(基幹河川改修・国補)」の再評価について審議した。これまで再評価対象としていた5事業▽林道細野鹿留線▽中山間地域総合整備事業敷島地区▽古川治水事業▽桂川流域下水道事業▽富士北麓流域下水道事業−となどが含まれた意見書を、今月中旬に知事へ提出する。
当日、審議をした鎌田川治水事業は、今回の見直しで総事業費が303億9900万円(計画期間平成2年〜38年まで)にのぼるとした。計画期間や事業費を増額した上で、今後の事業継続を要望している。
同事業は50年に1度の割合で発生する洪水を河道で安全に流下出来る改修を進めるもの。全体計画施工延長はL6900m(中央市今福〜甲府市堀之内町)。流下能力の拡大に重点を置いた河床掘削をはじめ、築堤及び護岸工事を行うことで治水安全度の向上を図り、氾濫を防止する。
事業の進捗が順調でない理由は、区間内にあるJR今川橋梁の架替え。国管理の笛吹川と県管理の鎌田川に跨ることから、国土交通省、県、JR東海の3社の調整が必要で、移設方法の選定作業に時間を要している。
そのほかの理由として、18年度に実施したJR身延線今川橋梁の詳細設計結果で、列車運行への影響を最小限に抑える工法を選定したため。
県土整備部の工事計画によると、平成21年度までに事業費204億5100万円をかけて築堤L5705m、護岸L4708m、道路橋5橋、樋門・樋管11基や用地補償、測量設計を行ってきた。
本年度は事業費10億円で築堤L600m、護岸L500m、JR橋1橋、道路橋1橋、付替水路L300mなどを実施。また、来年度以降は事業費25億800万円で残る築堤L555m、護岸L1792m、道路橋1橋などを整備していく。
県の事業説明に対して出席した委員からは「もう少し早く整備が出来ないものか」といった厳しい意見も出ていた。
提供:山梨建設新聞