県県土整備部(橋場克司部長)と(社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)との意見交換会が26日、千葉市内の京成ホテルミラマーレで開かれ、総勢45人が出席した。内容は、協会からの意見・提案事項の趣旨説明と、それらに対する県の所見、フリー討議などで構成。
意見交換に先立ち、双方を代表して先にあいさつした鈴木会長は、景気が本格回復しない中での一方的な円高基調が続き、輸出産業を中心に深刻な状況に直面している現在の経済情勢に加え、建設業も受注不振による厳しい経営を余儀なくされ、地方建設産業の疲弊が一層深刻化する懸念の増大を指摘したうえで、「私ども建設業協会としては、地方経済と雇用、県民の安心・安全を支える基幹産業として、一刻も早く現在の苦境を乗り越え、今後の活路を切り開くための方策を見出し、取り組まなければならない」とし、県土整備部の幹部に対しては、「私どもの実情を理解され、課題の克服に向けてともに対応して頂きたい」と弁。
また、この日の意見交換会については「入札契約制度をはじめ、本協会の会員企業から提出された現場での具体的な課題等を取り上げた」とし、「改善できる部分は改善して頂くなど、各事項に対する踏み込んだ所見を伺いたい」と述べ、あいさつとした。
これを受けて、橋場・県土整備部長は、まず、予算関係について「国の予算が大幅に削減されたことなどから、県予算も2割減となり、皆さんにはご苦労をおかけしていると思う。単独については10%ほど増額したが、それでも非常に厳しいことに変わりない」としたうえで、来年度予算に向けては、「これから個別に財政との協議が始まるが、県土整備部としては、間違っても昨年を下回ることがないよう、かなり大きめの予算要求をしている。獲得に向けてしっかりと協議していきたい」と弁。
また、工事の発注については「地元の皆さんに出来るだけ受注して頂けるよう、様々な努力をしているのでご理解頂きたい」と述べた。
この日の意見交換における協会側からの要望については、「まず我々が反省しなければならないことに、例えば、工期途中でのきちんとした設計変更がある。出先事務所の所長も同席しているので、素早く対応できるようにしたい」とする一方、同じく総合評価については、「お互いによく議論しあって改善していきたい。工法や配点については、具体的にお互いによく勉強し、改善するべきものはどんどん改善していきたい」とし、「時代もどんどん変わっているので、その状況に応じて、総合評価の内容についても見直す方向で議論したい」との考えを示した。
意見に対する回答については、「我々が直ちに対処できるもの、大変難しいものなど様々だが、何よりも自由に話し合える状況こそが大事であることから、ざっくばらんに意見を述べて頂きたい」と述べ、あいさつを結んだ。
この日の協会側からの提案・要望事項は、@入札・契約手続き、発注方法及び総合評価方式等のあり方等に対する提案A設計内容や積算価格等の課題B設計変更手続き、着工に至るまでの問題点C現場管理や工種・工程など各段階での問題点D他部局発注工事での課題を含め、その他の提案――の5項目。これらを小別すると合わせて44問に及び、それぞれに対して県側が回答を示した。
提供:日刊建設タイムズ