大月市が19年度から進めている大月駅周辺整備事業。今月から、いよいよ事業の目玉の一つ「南口駅前広場」の整備に着手する。施工者は一般競争入札で決める予定で、来月12日に入札を予定している。設計は、トーニチコンサルタント(東京都渋谷区本町1−13−3■03−3374−3555)が担当。来月着工、年度末完成を目指す。すでに整備されている部分を除く駅前広場関連の整備費は、3億円程度を見込む。
約3000uの広さを持つ駅前広場は、駅利用者やバス・タクシーなどでごった返す従来の駅前を一変させるものと期待される。広場内はコインパーキング10台、タクシープール10台、屋根付きバス停4カ所、タクシー乗降場2カ所、一般車乗降場2台分、身障者駐車場1台分、観光案内所・トイレ1カ所づつ、防犯カメラにパトカー駐車スペース−など設備が充実。これらに繋がる国道20号からの進入路も県施工により拡幅され、併せて電線類の地中化も行われるなど、狭い道路に密集した街並みといったこれまでのイメージは一掃される。
市は厳しい財政状況の中、学校施設など公共施設の耐震化に優先的に予算を充てるため、23年度で事業を一時凍結すると発表。「南北自由通路」「橋上駅舎」「北口広場」など残る整備は、27年度以降に改めて計画を見直し進めるとしている。
これらの整備には後40億円程度の費用がかかると試算しており、財源として市の一般財源や市債、国からの社会資本整備交付金を充てる。国に対しては事業費の4割の補助を求める方針だが、国のシステムや社会情勢が計画当初から変化しているため、希望額が補助されないことも考えられるという。
市関係者は27年度以降の計画について「改めて計画を見直す必要がある。南口広場につける屋根や、富士急行駅舎近くに整備する市営駐車場については整備費縮減のため取り止める可能性もある」とし、北口周辺への民間企業の誘致については「現在、県外業者1社と協議している」と交渉中の企業があることを明かした。
提供:山梨建設新聞