トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北海道建設新聞社
2010/10/14

【北海道】アルファコートがリノベーションなど展開−相次ぎ新機軸 

 アルファコート(札幌市中央区北1条西5丁目3、北1条ビル9階、川村裕二社長)は、既存施設のリノベーションによる高齢者向け住宅やセミコーポラティブマンションの供給、商業店舗開発と相次いで新しい取り組みを始めた。これまで経営の柱としてきた分譲マンションや不動産流動化事業などに代わる新機軸としての位置付け。高齢者向け住宅は年に1―2棟、コーポラティブマンションはまず5―6棟それぞれ供給する考えだ。
 高齢者向け住宅事業では、共立メンテナンス(東京都千代田区外神田2丁目18の8、佐藤充孝社長)が2009年秋まで札幌市西区琴似で運営していた学生寮を、高齢者向け賃貸住宅「仮称・ドーミー琴似Levi(レヴィ)」に改修・再生する。
 少子化により学生寮としての運営が難しくなり、新たな活用策を模索していた施設所有者の需要と、近年施設不足が課題になっている高齢者向け住宅の供給をマッチングした。
 アルファコートは、高齢者住宅のノウハウや情報ネットワーク網の強みを生かして企画・設計を担う。国土交通省の高齢者等居住安定化推進事業の補助認定を受け、8月末から山崎建設工業・アルファコート共同体で整備を進めている。
 高齢者専用賃貸住宅31室と一般賃貸住宅46室の計77室の規模で、20日のオープンを予定。朝夕の食事付きで、9万2000円(税込み)から14万3300円(同)を設定している。
 アルファコートでは、共立メンテナンスから札幌市内の他の物件についても相談を受けているという。民間企業の寮や研修所などでもリノベーションニーズがあるとみている。
 セミコーポラティブマンションは、札幌市内の円山、宮の森地区に限定したプロジェクト。コーポラティブマンションには、参加者不足による事業断念のリスクなどがあるが、参加者が70%前後確定した段階で、残りを一般分譲に切り替えてリスクを回避したり、供給スピードを高めている。
 初弾として札幌市中央区南4条西23丁目に延べ床約140m²(駐車場付き)、販売価格約4000万円の物件を数戸計画。このほかにも今後のシリーズ化を考慮し、土地を4、5カ所ほど確保している。
 また、札幌市手稲区前田5条13丁目にある手稲トライアル店(建物面積1万6080m²、土地面積2万4360m²)を取得した。同社が商業施設を取得したのは初めて。こうした取り組みの背景には、不動産市況の低迷に伴い、これまでの収益構造を見直す狙いがある。
 一時は年間4000―5000戸ともいわれた札幌市内の分譲マンション市場。今では1500戸前後に縮少した。川村社長は「市場復活の兆しがないわけではないが、次々供給しても売れる可能性は少ないだろう。需要と供給がぴったり合っていればいいが、ともすれば在庫の山を抱えてしまう。既製品ではなく、10戸から20戸程度の小規模な特注品マンションにかじを取りたい」と話す。
 さらに「これまでは『分譲マンション』『不動産流動化』『賃貸』が大きな柱だったが、不動産流動化や分譲マンションは難しくなっている」とし、「分譲マンションについては、マンション需要が減るのに対して、高齢者向け住宅の需要は増えていくので、これを合わせて維持していく。また不動産流動化に代わり、商業店舗開発に力を入れたい。新築や企画段階から参入し、不動産流動化の欠落部分を補いたい」と展望している。