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建通新聞社(岡山)
2010/10/04

【岡山】岡山県中山間地域活性化基本方針を策定

 岡山県は、過疎化、高齢化が急速に進み、担い手不足による耕作放棄地の増加や森林の荒廃、農林水産業の活力の低下など多くの課題を抱えている中山間地域の活性化に向けて、2004年に策定した「岡山県中山間地域活性化基本方針」の見直しを行った。
 県内の中山間地域面積は、5353kuで県土面積の約75%、22市町村を占めている。このうち、20市町村が過疎地域となっている。2009年3月31日現在の中山間地域の県管理道と市町村道の改良状況をみると、実延長1万5978mに対して、改良延長が7333mで改良率は45.9%、下水道整備率が45.1%などとなっており、各種基盤整備が急がれる。
 こうした状況の中、基本方針の主な内容としては、生活道路整備では、1車線と2車線を組み合わせた1.5車線整備など効率的な道路整備や地域間連絡道の整備などを進めており、今後も医療や福祉、教育、文化施設などと集落を結ぶ日常生活に密着した道路整備、地域間を連絡する主要な道路整備の推進を掲げる。
 また、地域の生命線となる緊急輸送路や救急医療ルートとなる道路などにおいて、落石対策や豪雨時・積雪時の交通難所の解消対策を進め、安全で安心した暮らしの確保に努める。
 居住環境の整備では、水道普及率は96.6%で、県平均(98.9%)との格差は縮小しているが、依然、県北西部を中心に普及率の低い地域がみられることから、水道の給水地域拡張のため簡易水道などの整備促進を図る。公営住宅では、高齢者向けの住宅建設、設備の改善に取り組むとともにユニバーサルデザインについても積極的に導入していく。
 災害に強い地域づくりでは、治山事業で山地災害危険地区などで計画的に治山施設の設置を行うとともに、保安林整備や本数調整伐の積極的な実施、土砂災害対策として、近年災害が発生した個所、老人ホームなどの災害時要援護者関連施設、学校や道路などの公共施設がある緊急性の高い個所から順次対策工事などを実施するとしている。