川勝平太知事は28日、6年ぶりに静岡県建設業審議会を再開することを明言するとともに、学識経験者や建設業の代表者らから委員を選定する方針を固めた。今後、静岡県建設業協会などの建設業関連団体、消費者団体、法曹界を中心に委員の人選に着手する。順調なら年内の審議会開催を見込む。建設投資の大幅な減少など建設業を取り巻く環境は厳しいが、川勝知事は「新しい本県建設産業の活性化に向けた方策を検討する場にしたい」と審議会の開催に期待を寄せた(=29日付け1面関連記事)。
県議会9月定例会の一般質問で、天野一議員の「建設産業の活性化に向けた取り組み」についての質問に対し、川勝知事は建設産業を「不可欠な産業であると認識している。社会資本整備や地域の雇用の担い手であることは言うまでもない」と位置付けた。
知事自身、台風9号がもたらした被害の復旧活動に取り組む建設業者の姿を見て「災害から地域を守る担い手としても、健全な発展は極めて重要」と再認識した。審議会再開の目的として「建設産業自らの経営改革に向けた取り組み、県が果たすべき役割を議論する」ことを挙げた。
県では「議題など審議会の骨格は白紙。今後、詳細を煮詰めていく」(交通基盤部建設業課)としているが、速やかに委員の人選に着手する方針。定数は前回と同様、15人程度を想定しているもよう。順調に行けば年内にも第1回目の審議会を開く。
2004年3月に県建設業審議会が「静岡県建設産業の最近の動向と今後の課題」をまとめて以来、6年ぶりの再開となる。
「業界の意見が反映される機会」として強く審議会の再開を要望していた、静岡県建設業協会の伊藤孝会長は「ぜひ委員の一人として参画したい。今後の建設業がより良い方向に向かっていくような審議を期待する」と審議会への参加に意欲を見せた。
建通新聞社 静岡支社