(社)日本造園建設業協会千葉県支部(望月勝保支部長)の主催による「防災公園の視察研修会」がこのほど、市川市の広尾防災公園で行われ、本県支部をはじめ東京都支部、神奈川県支部から総勢約50人が参加した。
都市公園の設計や造成工事、管理委託を受託する機会が多くなっている造園建設業の関係者が、防災公園の機能や施設内容を視察するとともに、自治体関係者との情報交換など、今後の業務に資することを目的としたもの。
同公園の施設概要の説明に先立ち、主催者を代表して望月支部長=写真左=は、「昨年の東京スカイツリーの視察研修から、本県支部もこの研修会に参加させて頂いた」と説明したうえで、「こうやって現場を視察しながら、同志の皆さんとの交流を深めることは、大変貴重な機会だと思う」と述べ、あいさつとした。
また、行政側を代表して市川市の田草川信慈・行徳支所長=写真右=が、「元々私も皆さんと同じ『造園出身』であり、市の公園緑地課で物品保全や公園の計画などに10年ほど携わってきた。その後、都市計画や区画整理、再開発などを担当したが、公園が専門だったことから、出来れば緑を中心としたまちづくりをしたいと思い、『自然系の都市計画』を目指してきた」と自己紹介。
さらに氏は、「そういった意味からも、造園関係の皆さんには、公園だけでなく、世界的な流れでもある『環境都市』に向けて、緑の多い街づくりにご協力頂きたい。本日はほんの少しではあるが、皆さんのお役に立てればと思う」と述べ、あいさつに代えた。
引き続き、田草川支所長による広尾防災公園の施設と機能についての説明を受けた後、座面部を外すと炊き出しとして利用可能な「カマド型ベンチ&スツール」をはじめ、災害時にマンホールを開けて専用テントを張ることで使用できる和・洋68穴の「災害用トイレ」のほか、災害時に水道本管が破断した際、貯水槽内に1万3000人の3日間分の飲料水(120m3)を確保する「耐震性飲料用貯水槽」などの災害対応施設を視察し、整備状況や使用方法についての説明を受けた。
広尾防災公園は、周辺住民一人当たりの都市公園の面積が少ないうえ、避難場所の面積も不足していることから、一時避難場所の機能を有する都市公園の整備を通じて、地域の防災機能の強化と快適都市空間の形成を目的に整備。面積は約3.7haで、避難圏域は概ね1q圏内の約1万3000人。今年4月1日に開園した。
提供:日刊建設タイムズ