静岡労働局は22日、県内の死亡労働災害の増加傾向に歯止めをかけるため、建設業労働災害防止協会静岡県支部、陸上貨物運送事業労働災害防止協会静岡県支部、静岡県労働基準協会連合会の3団体に対して、災害防止対策の徹底を図るよう、局長名で緊急要請した。同日、能坂正徳労働基準部長から3団体の代表に要請文を手渡した。
県内全産業の死亡者数は、昨年31人で過去最少となったが、ことしは9月21日現在で既に28人(速報値)と前年同期比8人、40%の大幅な増加を示している。うち建設業は8人で、前年同期と同数にとどまっているものの、墜落・転落による死亡者数は、6月までに昨年1年間の4人に達していた。
このため、緊急要請では、特に建設業の墜落・転落防止措置として、改正労働安全衛生規則に基づく措置の徹底とともに、「より安全な措置」の積極的な実施を要請。合わせて、足場の組立て・解体作業、スレート屋根上での作業についても危険防止措置の徹底を求めている。
また、全産業で昨年1人だった熱中症による死亡者数は、この夏の猛暑の影響で3人と増加した。熱中症にかからなくても、暑さによる作業中のふらつきや、注意力の低下などが労働災害を誘発する恐れがあることから、防止対策の一層の徹底を図るよう求めている。
このほか、各業種共通事項として経営トップによるパトロールや安全点検の実施なども要請している。
建通新聞社 静岡支社