(社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)の主催による「2010年度公共工事労務費調査に係る建設労働者の賃金台帳整備推進に関する説明会」が17日、千葉市内のホテルポートプラザちばで開かれ、約70人が出席。県と千葉県建設産業団体連合会が協賛した。
説明会では、県県土整備部技術管理課技術情報室の大塚和裕副主幹が「公共事業労務費調査の概要」について、また、褐嚼ン産業振興センターの西村正夫・労務安全専門員が「公共事業労務費調査に係る賃金台帳の整備」について講義し、約2時間にわたり話を聴いた。
公共工事労務費調査は、「公共事業の設計等に必要な労務単価の決定方法について関係省覚書」第2項に基づき、公共事業に従事する建設労働者の賃金を地域別及び職種別に調査し、その実態を明らかにすることを目的としたもので、農林水産省と国土交通省の関係二省が実施主体となり、都道府県、政令指定都市、二省所管公団等の参加協力により実施するもの。
ちなみに、今後の公共事業労務費調査の主なスケジュールは、10月1日に「請負者・下請業者向け説明会」を行い、9月と10月の任意の一日に、現場にて発注機関が該当労働者数、職種等を確認し、現況調査表に記入する「現況調査」を実施。また、11月15、16、17、18日に対象業者の賃金調査票の実態調査を行う「第一次審査」、同月下旬には「調査結果提出」として、賃金調査票の「正」(捺印したもの)を国(関東地方連絡協議会)に提出。12月から来年1月にかけて国(関東地方連絡協議会)が実施する「第二次審査」を経て、3月に新たな設計労務単価の決定が、国(公共事業労務費調査連絡協議会)から通知、それを受けて、県が「2010年度単価」として公表の運びとなる。
同調査は、公共事業の工事費の積算に用いる公共工事設計労務単価を算出するために行う調査で、1970年から開始され、国土交通省、農林水産省で作る連絡協議会が実施している。
公共工事の予定価格については、「予算決算及び会計令」により、「取引の実例価格を考慮して適正に定めること」とされる。このため、毎年10月(6月)を対象月として、労働基準法で事業主にその調整が義務付けらる賃金台帳をもとに調査し、その結果を翌年4月からの公共工事設計労務単価とする。
調査の対象は、請負金額1000万円以上の工事約1万2000件で、約12万人の建設作業員を調査する。調査は51職種の作業員を対象とするもので、元請の技術者、見習、事務員等は対象外。
09年の調査では、有効工事件数が1万1832件、有効標本数が12万1937人(標本数20万528人、60.8%)。
提供:日刊建設タイムズ