新庁舎建設にあたり、甲府市新庁舎建設発注方式等検討委員会(委員長・田中勝山梨大学教授)は14日、宮島雅展市長へ提言書を提出した。
注目の発注方式は、本体工事(建築・電気・機械)が「一括発注方式」、外構工事が「市内企業参加のみに限定した発注方式」を提言。10月〜11月ごろ発注者方式を正式決定、来年1月下旬〜2月上旬の本体工事公告が有力視されている。
このうち入札方式は、両工事とも、制限付き一般競争入札方式(総合評価)の採用を検討。低入札価格制度と総合評価落札方式における落札者決定基準を適用する。
検討委員会によると、90億円を超える大規模な工事は市全体としても前例がないため、本体工事規模、金額、難易度など能力の高い施工者が全国的規模応募できる条件整備が必要であると判断した。門戸を広げるため、参加体制をJVと限定するのではなく、入札参加者の自主判断に任せることが望ましいという結論に至った。
また、新庁舎建設工事では価格以外の地元貢献策などの提案が必要であり、総合評価落札方式、標準型、技術提案型を適用するのが妥当とした。参加資格をJV限定としないものの、市内企業とのJV組成は、市内企業への受注機会の拡大、育成にも繋がると評価。しかしその一方で、参加資格で門戸を広げたことから、評価項目の適用範囲や提案内容については「今後、十分に議論する必要がある」とまとめた。
さらに、入札方式では、地元貢献度あるいは適正な労働条件の確保を図り、入札者間の過剰競争を抑止するため、総合評価落札方式における低入札価格制度を適用することが必要。企業間の競争が激しくなることが予測されることから、仮に低入札調査基準を下回った場合に備え、事前に調査体制の準備を整えておく必要があるとした。
提供:山梨建設新聞