静岡県建設業協会(伊藤孝会長)は9日、静岡県交通基盤部幹部との意見交換会を開いた。協会側は、入札契約制度関係など直面する課題の解決を求めるとともに、「今後の地方建設業がどうあるべきかを示してほしい」(伊藤会長)と訴えた。森山誠二部長は「自然災害にかかわらず有事での皆様の役割は大変大きいとあらためて感じている。共に県土を守るということでお願いしたい」と一層の協力を求めた。
当日は、協会側は正副会長、常任理事、各委員会委員長らが、県側は森山部長、岩田良明理事、橋本知之建設支援局長ら幹部が出席した。
冒頭、伊藤会長が「厳しい経営環境をどう克服するかが大きな課題。会員数は激減しているが、地域の建設業には、自然災害などで先頭に立って復旧活動をする責任がある。これからもその責任を果たしていきたいが、今までの延長線上ではなく、もう一度役割を再認識し、新しく構築することを今考えていかなければならない」と述べた。
一方、森山部長は、地元建設業が災害時などで果たす役割をあらためて評価。また、入札契約制度の透明性や、工事の品質をさらに確保することが必要との考えを示した。
意見交換では、協会側は@入札契約制度の改善A静岡県建設業審議会の開催B建設業をアピールするための行政と協働による戦略広報の展開C積算単価の改善と、工事現場での情報共有−−の4項目について、現状や問題点などを訴えた。
入契制度関係では、現行の応札業者数の在り方について、協会側が「本当に良質な工事をする施工者に発注するべきではないか」と発注者の責任を問うた。同時に、厳しい受注環境を踏まえ、緊急経済対策のような集中的な発注ではなく、平準化的な発注の方が業界にとって好ましいと指摘。
工事現場での情報共有では、設計図面と現地の状況との違いが発生していることから、設計を担当したコンサルタントの責任明確化を求めた。これに対し県側は、発注者、受注者の責任を明確にしていきたいとした上で、設計者、地質調査業者も含めた4者会議を試行していることを紹介した。
協会側は併せて現場説明会の復活も求めたが、県側は書面によるやりとりで対応している現状を説明し、復活は透明性などの点から困難とした。
建通新聞社 静岡支社