2010年度県土整備部震災訓練が「防災の日」の1日、県庁と県内38か所の震災想定現場で行われた。震災時における県県土整備部の防災活動の円滑な実施を図るため、職員の参集及び関係機関との伝達訓練による有事での職員の一層の意識向上をはじめ、同部の各出先機関と(社)千葉県建設業協会及び各支部、(社)千葉県電業協会、(社)千葉県測量設計業協会及びNPO防災千葉との業務協定に基づく協力体制の一層の充実を図ることを目的とし、県土整備部震災対策組織と各協会との合同訓練として実施した。
同訓練には総人数913人が出動。内訳は、県初動職員288人、県通常職員298人、千葉県建設業協会会員225人、千葉県電業協会会員59人、千葉県測量設計業協会会員43人。
この日の想定地震発生時間は午前7時30分。県北西部を震源とする震源深さ10q、地震の規模はマグニチュード7.4、県全域で震度6強を観測。
この日の主な訓練内容は、まず「現地震災対策班」が、午前8時30分に初動職員参集(各地域整備センター、各整備事務所、各事務所職員と初動職員の合同体制)し、同35分から点検(現地調査)を実施。点検終了後、同50分までに「県土整備部震災対策会議事務局」に第一報。さらに、9時20分までに千葉県防災情報システムを活用し、被害状況報告を行った。
一方、県庁中庁舎4階の県土整備部会議室に設置した「県土整備部震災対策会議事務局」では、8時30分に初動職員のみ参集し、同35分に各地域整備センター、各整備事務所、各事務所、千葉県道路公社に第1号指令発令。同50分までに防災電話とFAXにより、現地震災対策班からの第一報情報収集、同じく9時20分までに被害状況情報を収集し、被害報告第一報を取りまとめ、同35分に指導班から震災対策会議に報告した。
他方、県土整備部長室に設置した「県土整備部震災対策会議」は、地震発生時、県内で「震度5強」を観測した場合、また「大津波」の津波警報が発表された場合の第3配備以降に設置し、県土整備部を統括する組織で、現地震災対策班からの被害報告をもとに、緊急輸送道路やライフラインの確保、大規模な被災個所の応急復旧などを迅速に検討するとともに、的確に判断することが求められる。
この日は増岡洋一・県土整備部理事を議長に、子安正宏・同次長らの副議長、議長補佐のほか、各課長で構成する委員の総勢24人が参集。
建設業協会、電業協会、測量設計業協会から327人
県土整備部震災対策会議であいさつした増岡議長は、今回の訓練が、@全出先機関でより実践的な訓練を実施することとし、様々なシミュレーションを想定A数事務所から携帯電話を利用し、現地の状況写真を送信B国との連携訓練の試みとして千葉国道事務所の衛星通信車を使用し、現地のリアルタイムの画像を配信する――との特徴を説明。
また、以前から議論される「首都圏直下型地震」に言及した氏は、「これらの災害時における我々の任務は、社会資本を管理し、県民の生命や財産を守るという極めて重要なもの」としたうえで、各委員らに対しては「日頃から常に危機管理意識を持って仕事に臨むことが必要であり、本日の訓練を契機に、改めて地震対策の認識を深め、実際の地震発生時に適切に対応して頂きたい」と要請した。
9時35分。県土整備部震災対策会議に対し、県土整備部震災対策会議事務局が取りまとめた各現地震災対策班からの「被害報告第一報」を、同事務局の指揮班長が報告。
県内の被害状況の内容は、「橋梁の破損、法面崩落等の大きな被害が報告され、人的被害はないが、道路の通行止めが23個所発生。そのうち、緊急輸送道路が15個所あり、迂回路の設定を行っている。その他の被災としては、河川で護岸破損など4個所、港湾で1個所、下水道で4個所、ダム関係で3個所の報告があり、被災個所は現地震災対策班及び建設業協会各支部、電業協会が復旧にあたっている」というもの。
さらに指揮班長は、緊急輸送ネットワーク図とスクリーン投影写真を用いながら、「(千葉地域整備センターの)県道千葉船橋海浜線、習志野市茜浜の東7号橋で橋面亀裂、(千葉港湾事務所の)臨港道路中央1号で路面陥没、(安房地域整備センターの)国道128号、南房総市加茂地先で切土法面崩落が発生したことから、それぞれ通行止めにしている」との補足説明を行った。
9時41分。この報告を受けた増岡議長は、議長補佐に対し、これらの状況を県災害対策本部に報告するように指示するとともに、指揮班長に対しては各現地震災対策班の今後の対応について、「引き続きパトロールや点検を実施し、緊急輸送道路、所管する公共土木施設の被害状況を早急に把握するとともに、被害個所については関係機関との緊密な連携のもと、応急措置や応急復旧に努めてもらいたい」と要請した。
9時45分。再び指揮班長から増岡議長に、「国道16号と国道464号の交差部分に配置した千葉国道事務所の衛星通信車から、被災現場の画像が配信されたので、状況を確認願いたい」と連絡。各委員は事務局を構える部会議室に移動し、千葉国道事務所衛星通信車からの画像を確認した。
提供:日刊建設タイムズ