北海道建設新聞社
2010/09/01
【北海道】サンピアザとデュオ改修にESCO導入−事業提案を募集
厚別・新さっぽろ副都心で商業施設の建設・管理運営を担う札幌市の第三セクター・札幌副都心開発公社(本社・厚別区、加藤啓世社長)は8月31日、大規模複合商業施設の「サンピアザ」と「デュオ」で、エネルギーコスト削減と環境負荷低減を目指すESCO事業を導入すると発表した。プロポーザル方式で事業提案を募る。両施設を合わせた規模は延べ約17万1000m²。現在のエネルギー・維持管理コストは約9億円で、必要となる設備導入・改修費は約10億円を見込む。同公社によると道内のESCO事業では最大規模だという。
ESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)は、省エネ改修工事による光熱水費の削減分で設備投資費や維持管理費を賄う事業。道内では、ホテルや大型商業施設など民間施設で普及しつつあり、市でも2004年度に市立札幌病院で初導入している。
同公社は、市が1972年度に策定した厚別副都心開発基本計画に基づき、第1期事業で77年にオープンしたサンピアザをはじめ、JR新札幌駅を挟むショッピングモール「デュオ1」と「デュオ2」などの商業施設を建設し、管理・賃貸を主に担っている。
厚別区厚別中央2条5丁目にある現有施設の規模は、いずれもSRC造で、サンピアザが地下3地上6階、延べ10万6231m²、デュオは「1」「2」ともに地下3地上9階、合わせて延べ6万5174m²という状況。両施設における設備の更新時期を迎えたことに合わせ今回、ESCO事業の導入を決めた。
業務範囲は、ESCO事業に関する設計、施工、施工監理およびその関連業務。契約期間は15年程度を見込んでおり、エネルギー削減率(1次エネルギー換算値)5%以上、CO?削減率5%以上を求める。
参加資格は、ESCO事業全般の役割を果たす単独または事業者グループで、本支店・営業所を札幌市内に置くこと。施工においては、市の格付けが管または電気のA等級で、1級建築士、建築設備士、技術士、エネルギー管理士のいずれかの資格者を有すること。運転維持管理に当たっては、市の役務の物品・委託に登録されていること、などが要件となっている。
今後は、8日にアークシティホテルで説明会を開いた後、16―21日に参加表明を受け付け、22日に提案要請を通知。提案書は12月1―3日で受け付け、同17日に最優秀提案者を選出する予定だ。
12月中旬から詳細設計に入り、11年8月の経済産業省などの補助採択後に改修工事に取り掛かり、12年4月1日からESCOサービスの開始を受けるスケジュールを描いている。
募集要項は同社ホームページ(http://www.arc-city.com/news_k100831.html)で公表している。