ゆめ半島千葉国体佐倉市実行委員会の主催、佐倉市造園建設業協同組合(砂田正稔理事長)の協賛による環境浄化植物「サンパチェンス」の植え込みイベントが25日、JR佐倉駅北口駅前広場で行われた。
同イベントでは、蕨和雄・佐倉市長と、サンパチェンスを寄贈した潟Tカタのタネの坂田宏社長が、それぞれ数株ずつ「サンパチェンス」を植栽したほか、両氏を囲み、佐倉市造園建設業協同組合の組合員と、佐倉市民カレッジ佐倉地区同窓会環境美化グループのメンバーらが記念撮影を行ったもの。
また、この日は同イベントに先立ち、佐倉市造園建設業協同組合がボランティアで、イベント会場となったJR佐倉駅北口駅前広場に162鉢、千葉国体のカヌー会場となる「佐倉ふるさと広場」周辺に198鉢のサンパチェンスを植え付けた。
ゆめ半島千葉国体へのボランティア協力を模索していた佐倉市造園建協組と、両広場の花壇及び植樹帯の整備を検討していた佐倉市側との思惑の一致で実現したもので、佐倉市造園建協組の砂田理事長は、「駅前広場とふるさと広場は、ともに国体への来訪者を迎える場所から、『おもてなしの心』を持って作業した」とコメント。
国体開催期間中のサンパチェンスの維持管理は、JR佐倉駅北口駅前広場を市民団体、佐倉ふるさと広場周辺を佐倉市造園建協組が、それぞれボランティアで行う。
ちなみに、千葉国体において佐倉市は、レスリング競技、カヌー競技カヌースプリント種目(正式競技)とターゲット・バードゴルフ競技(デモンストレーションとしてのスポーツ行事)の開催地となる。
一方、潟Tカタのタネが寄贈したサンパチェンスは、この日に植え付けた360鉢を含めて全部で600鉢。残りの鉢は、佐倉警察署の敷地などに植えるほか、さらに同社は「千葉国体2010」に、サンパチェンスの苗7000鉢も寄贈している。
佐倉市に対して600鉢のサンパチェンスを寄贈したことについて同社は、「花のまち」を目指して環境美化を進める同市に賛同したことに加え、坂田宏社長の父である坂田正之・二代目社長の実父・旧伯爵の堀田正恒氏が、佐倉藩主・堀田家の出身で、その実兄の堀田正久氏が佐倉市長を務めたこともあることから、同市とのゆかりが深いことも背景にあるという。
同社が開発した「サンパチェンス」シリーズは、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)や、自動車などの排気ガスに含まれる環境汚染物質の二酸化窒素(NO2)、シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒド(HCHO)に対し、極めて高い吸収能力を発揮することが、浦野豊氏(東京大学博士・農学、生態工学会理事)との共同研究の結果で実証され、08年3月25日付で発表。大気汚染の軽減効果のある「環境浄化植物」として耳目を集めている。
同社によると、「サンパチェンス」の最大の特長は、生育が画期的に旺盛なことで、従来のニューギニア・インパチェンスが1株約20〜30pの大きさなのに対し、「サンパチェンス」は1株で鉢植えの場合約60pになり、露地植えでは約1mもの大株になる。そのため、花壇用のみならず鉢栽培用としても利用できる。
また、開花持続性にも優れ、夏の高温期から秋の低温短日期まで長く楽しめるほか、花梗(花の軸の部分)が長く、葉を覆うように咲く「オーバーフラワリング」という性質と、花径が約6pの大きなトロピカルなイメージの鮮やかな花色が遠くからでもよく目立つため、夏の庭や花壇のイメージを一新するインパクトのある品種だという。
品種名の由来でもある「サン(Sun)=太陽+ペイシェンス(Patience)=忍耐」という特性により、@暑さや強い日ざしに耐え、夏でもたくさんの花を次々に咲かせるA生命力が強く根張りがとても良いため、強風などで倒れてもすぐに回復するB花の弁質が厚くよいため、風雨にあたっても花が長もちする――など、厳しい気象環境に非常に強いことも大きな特長だという。
このような特性から、一般家庭での鉢植えや庭植えでのガーデニングはもとより、公園の花壇などの植栽にも好適な品種とされ、さらに1uあたり9株(パンジーなどの場合は25〜36株/u)程度植えれば、1か月ほどで花が隙間なく咲くため、広い面積の花壇などの植栽施工時の手間が省けることも大きなメリットとしている。
提供:日刊建設タイムズ