(社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)と千葉県土木施工管理技士会(宮村良典会長)は共催で26日、館山市内の館山建設会館において、総合評価方式の「施工計画のまとめ方」及び「工事評点アップ対策」セミナーを開催し、会員約40人が受講した。
「施工計画の書き方やまとめ方」及び「工事成績評点のアップ対策」は、国や県などで主流になりつつある総合評価落札方式の「課題」とされることから、今回は、それらを主眼とするセミナーを「CPDS認定対象」とし、全7回(7会場)にわたり、数支部合同で開催しているもの。
既に、初弾の銚子支部・八日市場支部合同(会場・銚子建設会館)により7月20日、第2回目の長生支部・夷隅支部・山武支部合同(同・長生建設会館)は翌21日に終了。今回は第3回目として、館山支部と鴨川支部の合同で開催。
ちなみに、第4回目は翌27日に千葉支部・市原支部・君津支部が合同(同・市原建設センター)、第5回目は9月6日に北総支部・香取支部が合同(同・北総建設会館)、第6回目は翌7日に、京葉支部・東葛支部が合同(同・東葛建設会館)で開くこととし、最終回となる第7回目は、9月27日に千葉市内のホテルポートプラザちばにおいて、全支部及び受講希望者多数で溢れた会員を対象に行う予定。
開催時間は、各会場とも午前3時間(9時〜正午)と午後3時間(13時〜16時)で、午前の「簡易な施工計画はどうまとめるか」のテーマは永妻勝義氏(総合評価支援センターCVS)、午後の「工事評点のアップ対策について」のテーマは福澤直樹氏(潟純Cズ代表取締役)が担当する。
このうち、永妻氏による「簡易な施工計画はどうまとめるか」の講義=写真=では、総合評価方式対応のポイントとして、@現場を見る目A履行確認できる提案――を指摘。
講義の主な概要として、まず「技術力」については、「高度な技術」「専門的知識」「学問的」「学術書」「理論式」「新しい技術」「特許工法」「規格値のアップ」などではなく、@その現場での施工上の問題点を見つけ出す力Aその現場での気配り、ちょっとした工夫をする力――のことで、「技術力」の正体は、ほとんどが既存の技術や知識で対応できるものであり、ここでは「新技術」が問われているのではなく「知恵くらべ」だと言う。
また、「現場調査が基本」とする氏は、「チームで知恵を出して現場改善策をつくる」ことを提案。まず、3〜5人程度のチームを編成して現場調査を行い、15〜20か所の問題点を探し出して写真に撮る。次に、それをもとに部課長・役員らと提案項目を5か所に絞り込む拡大検討会議を開き、その5か所の内容を文書化して発注者に提出するというもの。
ほとんどの会社は、担当者が一人で問題点を探しているのが現状から、ここで氏は、「チームにより『絞り込んだ』5つと、一人の担当者が『絞り出した』5つの違い」を指摘している。
さらに、技術力をまとめる3つのポイントとして氏は、@社会的コストを減らす提案を出すA仕様書を超えるのが「技術力」B具体的に書く――を指摘。@は、住民の不満を先手でなくすことが、現場の周辺に対する配慮、思いやり、気づかいとなり、工期短縮はそのための有効な手立て。Aは、高度な技術や規格値を高くすることではなく、仕様書に書いていない「その現場特有の工夫や改善、気配り」を重視する。Bとして施工計画書は、工事検査員(監督職員)が判断できるよう、現場での気配り・工夫を具体的に書くとし、履行の確認が出来ること、社内検査の仕組みをつくることも大事だとと解く。
一方、「徹底する」「周知徹底を図る」「できるだけ」「極力」「適切に」などの『禁句は使わない』ことも強調した。
提供:日刊建設タイムズ