県県土整備部技術管理課と(財)千葉県建設技術センターの共催による「土木技術講習会」(2010年度第1回新技術発表)が18日、県庁中庁舎10階の大会議室で開かれ、民間による10件の新技術を発表。発表者と聴講者合わせて総勢110人余が出席した。
県では、新技術を活用した取り組みの一環として、民間で開発した新技術について発表会を開催。県及び市町村、建設コンサルタント関係者に広く情報を提供し、公共事業への円滑な活用並びに導入を実施している。
2003年度から年2回の割合で開催し、今回が15回目。これまでに合計216件の新技術が発表され、聴講者は1000人を超えた。昨年までに88件の技術について実施事例があり、ここ3年間では新工法が11件、新材料が14件にのぼるという。
新技術の発表に先立ち、主催者を代表してあいさつした県県土整備部技術管理課の小野正徳・副技監(兼)技術情報室長は、「本県では効率的な公共事業の執行のため、昨年3月に公共事業コスト構造計画2009を作成。その施策課題の中でも、民間技術の活用が大きな題目、新技術、新材料の採用が大事な施策の一部となっている」と説明したうえで、発表者らに対しては「コスト縮減、品質の確保、環境保全といったさまざまな課題に対応する新工法及び新技術の開発に配慮頂き、改めて感謝申し上げる」と弁。
さらに氏は、「本日の新技術発表が、厳しい時代の技術屋の知恵となるよう、さらなる活用をお願いしたい」と要請し、あいさつを結んだ。
この日発表された10件の新技術の部門別内訳は、「工法」が6件と「材料」が4件。技術名と提案者は、発表順に工法が「GPSを用いた深浅測量システム」(畔蒜工務店)、「プラックス」(共和コンクリート工業)、「ホゼン式工法」(日本建設保全協会)、「セルクリート工法」(テクノクリート)、「コンクリート構造物内部の3次元映像化装置」(三造試験センター)、「シックセラ工法」(シックオン)。一方の材料は、同じく「ECOバインダーシリーズ」(東亜道路工業)、「ポストフレックス」(保安道路企画)、「サンドウエーブ(リサイクルガラス造粒砂)」(ガラスソーシング)、「高浸透性コンクリート改質剤(リバコン・リキッド)。
工法の一つ「プラックス」は、都市部の道路冠水とヒートアイランド現象の緩和を目的に、共和コンクリート工業鰍ニ(社)雨水貯留浸透技術協会が共同開発した「歩車道の舗装システム」で、歩道の下に設けた貯留槽に雨水を溜め、毛管材を介して歩道表面から蒸発させ、地表面の温度を低下させる一方、溜めきれない雨水は浸透させて道路冠水を防止する総合的な雨水循環(雨水活用)システム。
プラックス(PRaCS)とは、「歩車道の雨水循環システム」(Pavement of Rainwater Cyclical System)の頭文字を取ったもの。
提供:日刊建設タイムズ