建通新聞社四国
2010/08/10
【愛媛】来年度にも設計費 新繊維産業技術センター
愛媛県が、今治新都市内に整備する新繊維産業技術センターについて、機能や施設内容などを検討する委員会の第1回会合が6日、県庁で開かれた。委員らは2011年1月に最終報告をまとめて知事へ答申することを確認したうえで、県庁内の整備検討会がまとめた基本構想案をたたき台に意見を出し合った。県に着実な事業推進を求めたのに対しては、東倉勝利経済労働部長が「部としては11年度予算での設計費計上を目指している」などと説明した。
委員会は、学識経験者や繊維・デザイン業界の関係者ら12人で構成。今回、会長に水口和壽愛媛大学名誉教授を選出した。会合は10年中にあと2回開く予定で、繊維関連企業を対象にしたニーズ把握のためのアンケート調査も8月中に行うことにしている。
新センターは今治新都市第1地区の「クリエイティブヒルズ(産業・産業支援施設用地)」内に整備される。県はすでに敷地(9258平方b)を取得している。
基本構想案では、センターに持たせる機能として▽素材から製品まで横断・総合的な試験研究や技術支援▽高付加価値化や競争力強化を図るデザイン支援▽技術情報のレファレンスや共同研究、情報収集・提供、各種研修などの拠点─を提示。これらを果たすために必要な施設として各種の試験室や工房、研究室のほか、技術相談室、研修室、展示・交流サロンなどを上げている。
その上で施設規模については、各機能が十分に発揮でき、ニーズに対応した機器設置の余裕がある広さが必要だとしている。
委員からは「消費者ら多くの人が集まる施設に」「持たせる機能を精選して重点化すべき」などの意見が上がった。
県は新センターの整備に向け、あり方の内容を04年度に設置した委員会でまとめるなどしたが、06年度からの財政構造改革に伴い事業を凍結していた。
現センター(今治市東村南2丁目)は1968年の建築で、本館(鉄筋コンクリート造2階建て延べ800平方b)、染色研究棟(鉄骨造平屋620平方b)、機織研究棟(同660平方b)、開放試験室(同132平方b)などで構成し、施設全体の床面積が2314平方b。老朽化や狭隘化が進んでいるほか、技術の高度化や多様化するニーズへ対応しきれなくなっているという。