建通新聞社(岡山)
2010/08/09
【岡山】高梁川水系河川整備計画案を承認
第5回明日の高梁川を語る会(座長・名合宏之岡山大学名誉教授)が5日、倉敷市内で開かれ、国の高梁川水系河川整備計画案を承認、あわせて、岡山河川事務所が治水経済マニュアル案をもとに作成した2011年度を初年度とするおおむね30年間で実施する事業の費用便益分析結果を了承、事業推進を妥当とした。河川整備計画案は、県知事や関係省庁と協議した後、9月にも成案としてまとめる予定。
治水事業は、期間中の建設費を484億円と見積もり、小田川合流点の付け替え事業と高梁川下流地区の築堤整備から着手する。
小田川との合流点については、現在の合流点を締め切り、柳井原貯水池3.4q間を幅約200mの河道に改修することで約4.6km下流に付け替える。高梁川と小田川を分離する締切堤を設置する際には、左右岸のバランスを考慮し、古地地先の堤防補強を実施し、河積確保に努める。事業年度は11年度から26年度までの16年間を想定している。
倉敷市街地がひろがる下流地区は、小田川合流点付け替え完了までに堤防の断面が不足する部分の築堤、堤防補強を行い、付け替え完了後に新合流点から上流の笠井堰改築、河道掘削を行う。
また、小田川合流点付け替え完了などにより、下流地区、高梁川派川の安全度の向上を図った後、本川中流地区の河道掘削、樹木伐開、堤防補強、築堤、小田川においても河道掘削、樹木伐開、築堤などを実施する。このほか、下流地区、高梁川派川、中流地区の安全性の向上を図った後、上流地区で浸水被害の軽減を図るための河道掘削を行う。コスト縮減に関しては、新技術、新工法を活用するとともに建設発生土の有効利用を図る。
環境事業については、1967年に改築され、約40年が経過する潮止堰が老朽化により魚道に穴やひび割れが発生するなど、魚の移動に支障が生じているため、3億円を投入、14年度までに魚道改良と簡易魚道の設置を行うことにしている。