建通新聞社四国
2010/08/03
【愛媛】暴力団排除へ入契制度見直し 県
愛媛県は、建設工事・業務委託に関する入札契約制度の一部見直しを実施、暴力団員(準構成員や利益供与者らを含む)の排除を徹底するため契約解除や入札参加資格停止などの措置を8月1日付で厳格化したほか、個人住民税の滞納防止に向けては2011年度から入札参加資格として、従業員から同税を天引きする「特別徴収義務者」指定を必須とする方針を固めた。
契約解除や入札参加資格停止の厳格化は、8月1日からの県暴力団排除条例施行を受けたもの。建設工事・業務委託からの暴力団員排除は「暴力団排除措置要綱」によって対応しているが、今回、同要綱や入札参加資格停止措置要綱、契約約款などを改めた。
具体的には、県は契約した元請け業者が暴力団員だと判明した場合に、これを催告することなく解除できることを明示。元請け業者に対しても、下請け業者が暴力団員だと判明した場合の契約解除義務を課した。さらに再下請け業者や資材業者らの契約に関しても同様の義務を課し、それが果たされなければ下請け業者や元請け業者が契約を解除される仕組みにした。
元請け・下請けなどにかかわらず契約を解除されれば、ほとんどのケースで入札参加資格停止処分も受ける。また、暴力団員に利益供与を行った疑いがある場合に公安委員会が調査・勧告を行っているが、これに従わず公表されても同様の処分を受ける。
一方、特別徴収義務者指定の義務付けは、個人住民税の滞納増加を受けた、県庁全体の取り組みの一環で打ち出した。本来、従業員の所得税を源泉徴収している事業者は、個人住民税も特別徴集義務者として天引きするよう地方税法で規定されているが、実際のところ建設関係以外も含む県内全事業所の特別徴集義務者指定率は、08年度末現在で34%にとどまっているという。
県は、11・12年度分の入札参加資格から指定を義務付ける方針。ただし新たに指定を受けるには、天引きを始める年度の、前年度1月末までに当該市町へ届け出なければならないため、次期の入札参加資格申請に限り、天引きを行う旨の「誓約書」が提出されれば要件を満たすものとして取り扱う考えでいる。