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建通新聞社(静岡)
2010/08/02

【静岡】静岡県=公立小中学校施設222棟で未対策も、耐震化率94・3%、全国第2位の水準

 県内公立小中学校施設の耐震化率は、2009年度末時点(全市町平均)で08年度末比を4・2ポイント上回る94・3%だった。県平均レベルを下回る90%以下の自治体は5市町。222棟の校舎や体育館などが、文部科学省の耐震性能基準(Is値0・7未満)を満たさなかった。今後、県では未対策棟数の多い自治体に対して、できるだけ早い時期に緊急整備を進めるよう、県単独の補助制度など活用を要請する考え。継続して耐震対策工事を進めることで、10年度末時点で耐震化率97・8%の達成を目指す。しかし、県が当初に目指してきた「2011年度中に耐震化率100%」の目標達成は「困難な状況」(静岡県教育委員会)となった。
 対象は、県内35市町と2つの学校組合、県立中等部の784校で総校舎数は3862棟。うち、3640棟が対策済みで、耐震化率は94・3%。これは、神奈川県の96・1%に次ぐ、全国第2位の水準だった。
 耐震化率は、08年度と同様に棟数ベースで計算。静岡県教育委員会が、文部科学省の基準に沿った形(構造耐震指標値が0・7以上の建築物の棟数を、対象建築物の棟数で割った数字)で算出した。その結果、基準以下の未対策棟数は08年度末比で161棟減(42・1%減)の222棟となった。
 調査対象のうち、耐震化率100%は静岡市、島田市、藤枝市、袋井市、御前崎市、伊豆の国市など6市9町に加え、2組合と県立中等部。
 市町のうち、最も低い進捗率は、小山町の72%だった。しかし、同町では小山中学校の校舎などですでに耐震補強工事に着手済み。12年度までに未対策施設7棟すべてで耐震化を終える予定だ(=全市町別の耐震化率は表参照)。

《静岡市は100%、浜松・沼津両市も90%をクリア》
 主な自治体では、静岡市が全棟数(742棟)で耐震対策を完了。耐震化率100%を達成した。
 100棟以上の校舎を有する自治体では、124棟を有する藤枝市が耐震化率100%だったほか、掛川市(98・5%)、磐田市(98・3%)、富士市(94・3%)、富士宮市(93・5%)、沼津市(91・8%)、浜松市(91%)と軒並み高水準をマークしている。
 一方、東伊豆町や河津町、清水町など県東部地区9町のうち、7町が耐震化率100%を達成しているものの、熱海市(75・9%)、三島市(80・2%)、伊東市(83・6%)など県東部の市では低水準の自治体が目立った。棟数ベースで耐震化率を算出しているため、行政人口の多い市での耐震対策が今後の耐震化率アップの鍵を握る。
 県では当初、公立小中学校の耐震化率について、「11年度中の100%達成」を目標に掲げていた。しかし、各自治体の財政状況が厳しい中、09年度末時点で222棟もの未対策施設が残されているため、目標達成は非常に厳しくなった。
 今後、県は各市町に対して、国庫補助や県単独の補助制度、貸付金制度などの活用を促し、耐震化のスピードを加速させる考えだ。

建通新聞社 静岡支社