京都市都市計画局は26日、違反建築ゼロをめざし、「京都市建築物安心安全実施計画推進会議」の初会合を中京区の職員会館かもがわ大会議室で開いた。建築物の安全性向上に向け、官民で各課題に対応する分科会を設置するなど22年度事業計画案を承認。今後、年1回程度開催し、市内建築物の安心安全の確保の向上を図っていく。
同推進会議は、22年3月に策定された「京都市建築物安心安全実施計画」を実現させるため、京都府、京都市はじめ、学識経験者、建築・不動産関連団体、指定確認検査機関などで構成されている。
「京都市建築物安心安全実施計画(=実施計画)」では、新築に係るものとして、▽検査済証交付率を5年後に100%、既存建築物に係るものとして、▽定期報告提出率を10年後までに85%▽耐震化率90%―など具体的な数値目標を掲げている。
会議の冒頭、京都市の由木文彦副市長が挨拶にたち、「実施計画で掲げた検査済証交付率100%は行政のみでは限界がある」とし、「それぞれの立場で何が可能で連携することで何が可能になるのか、行政に対して助言を請いながら、将来、京都の建築物の安心安全について振り返った時、今日が第1歩だったと思えるよう邁進していきたい」と述べた。
続いて、京都大学名誉教授の巽和夫氏が議長に選出され、議事がスタート。22年度事業計画では、実効性を確保するため、個別具体的な検討課題ごとに分科会を設置し、事業を推進するものとし、▽検査済証交付率向上▽定期報告対象拡大▽既存建築物対策▽危険建築物対策▽指定確認検査機関▽警察―の6分科会の設置を了承。さらに定期報告対象拡大分科会の年2回を除く各分科会が年1回程度開催されることが了承された。
また各団体で実施されている建築物の安心安全に寄与する取組を披露。京都府建設業協会京都支部の田中俊介委員は「支部の建築委員会では市民への周知に違反建築パト・各種建築相談など知らせるポスター啓発やヘルメットに貼る安心・安全を謳ったシールを近く作成し、PRしていく予定」と述べていた。 |