建通新聞社四国
2010/07/27
【愛媛】耐震化率61・9% 県内小・中学校施設
文部科学省が実施した公立学校施設の耐震改修状況調査(4月1日現在)で、愛媛県内にある小・中学校施設の耐震化率は61・9%と全国平均を11・4ポイント下回り、都道府県別の40位にとどまっていることが分かった。診断などで耐震性がないと判定されたにもかかわらず未改修の施設は639棟、うち184棟は大規模地震で倒壊・崩壊の危険性が高いと推計されるといい、補強や改築といった対策が急がれる。
小・中学校の施設は県内に1678棟あり、761棟が新耐震基準(1981年以降)、917棟が旧耐震基準で建てられている。旧耐震基準建物の耐震診断は916棟で終わっており、実施率99・9%(全国平均98%)で全国4位。
同省は県内耐震化率を、新耐震基準の施設と、旧耐震基準だが補強などが施されている277棟の、計1038棟で耐震性が確保されていると判断して算出した。昨年からの伸びは3・4ポイント。旧耐震基準建物に限ると耐震化率は30・2%にとどまる。
大規模地震で倒壊・崩壊の危険性が高い施設の内訳は、耐震2次診断で耐震指標(Ts値)0・3未満だった140棟、1次診断の結果から過去の実績を基に推計した13棟、診断優先度調査の結果から推計した31棟。全国ではこのような施設が計7530棟にのぼる。
今回は高校、幼稚園、特殊教育諸学校施設についても調査を実施。それぞれ、県内の@全棟数A旧耐震基準棟数B耐震診断実施率(順位、全国平均)C10年度耐震診断実施予定棟数D耐震化率(同)─は次の通り。
▽高校─@440棟A256棟B59・8%(47位、96・3%)C10棟D48・6%(47位、72・9%)
▽幼稚園─@60棟A32棟B96・9%(16位、89%)C0棟D68・3%(23位、66・2%)
▽特別支援学校─@51棟A37棟B56・8%(47位、97・6%)C2棟D35・3%(47位、87・9%)