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建設経済新聞社
2010/07/26

【京都】栗尾バイパスT技術検討委 施工リスクの検証始まる

委員会の様子
 京都市建設局は22日、中京区の市消防局作戦室で、栗尾トンネル工事の本格化を前に「第1回栗尾バイパストンネル技術検討委員会」を開催。施工者らと共に、栗尾トンネルの施工中のリスク及びその対処法について検証を行なった。
 同委員会は、トンネル工事施工上の留意点、進捗状況及び必要な対策方法や突発的な事象における原因究明及び対策などトンネル工事の安全施工、工期遵守及び品質管理等に寄与することを目的に学識経験者らから助言を受けられる機関として設置。委員会には同席者として、施工を請負う鹿島−鉄建−岡野−公成JVの担当者に加え、測量・設計を担当したアジア航測梶A中央復建コンサルタンツ梶A都コンサルタント梶A潟Aーステック東洋並びに発注者の京都市建設局事業推進室の河嶋敏郎室長が参加している。
 委員会の冒頭、京都市建設局の西靖彦事業推進室担当課長が挨拶に立ち、「本事業は、鉄道のない、京都市街と京北及び以北を結ぶ重要路線で地元住民にとっても悲願の事業」とし、「延長2300m相当のトンネルは京都市の事業としても最長のもので、工事の安全、品質を担保するべく徹底した工程管理とするため、忌憚のない意見を願う」と述べた。
 委員長に京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻の朝倉俊弘教授を選出した後、議事に移ると、現段階で想定されるリスクについて検証。周山側の坑口部では、現国道直下で土被りが5・5m程度と薄いことから想定される現国道の沈下リスクや別荘地の地中を掘削するため、井戸水の枯渇が想定されることなどが報告された。また沈下リスクに対して、自動光波測距システムやGPSなどを用いて24時間リアルタイムに計測していくことを確認しあった。
 最後に朝倉委員長が「トンネルの掘削には、安全でかつ早期完成な上、保守管理を含めて安価なものとなるよう心がけてほしい」と締めくくった。
 なお、栗尾トンネルは、一般国道162号(周山街道)の線形不良区間をバイパスにて回避する事業のうち、約1/2を占める標準内空断面59・5u、延長2313mの道路トンネルで、24年3月15日までを工期としている。