北海道建設新聞社
2010/07/23
【北海道】「水ビジネス」探れ−北大と政投銀などが研究会発足へ
北大と日本政策投資銀行が共同で「北海道の水ビジネスを考える研究会」を立ち上げる。道内での水ビジネスの可能性を探るのが狙い。背景には、水道事業者の多くが財政難で施設の更新に適切に対応できていない現状があり、官民連携による水道事業展開や水資源を生かしたビジネス化の在り方などを検討する。政投銀によると、水ビジネスに関する民間レベルの研究組織は全国で初めてという。26日に札幌市内で初会合を開く。
研究会のメンバーは北大と政投銀のほか、北海道経済連合会、商社などの企業で組織。札幌市と近隣市町村の水道事業者がオブザーバーとして加盟する。
水ビジネスは、有望な成長分野と位置付けられているが、経営効率が低く人口減少に直面している北海道のような地域では、財政難から施設更新のための新たな投資に踏み込めない水道事業者が多く、今後の増加も懸念される。
研究会では、水道事業の広域化と官民連携、海外の水ビジネスへの参入、豊かな水資源を生かした起業化に関する可能性を検証する一方、水道事業者が今後果たすべき役割について議論。26日を皮切り、年度内に計6回の会議を開く。秋に北大でシンポジウムを行うほか、中間報告も予定。検討結果をまとめた報告書は3月末に策定する。
道外の動きでは、横浜市が、企業が調達した資金で浄水施設を建設し、運営管理も企業に委ねるBTO方式を採用するなど、水ビジネスへの関心が徐々に高まっている。海外では、水道料金徴収までを企業が担うコンセッション方式の採用事例が出始めている。