北海道建設新聞社
2010/07/22
【北海道】道内小中学校、耐震化は3割にとどまる−全国より遅れ
道内公立小中学校の2009年度末の耐震化状況がまとまった。全道の小中校で5878棟ある施設のうち、1981年以前建設の旧耐震基準の施設3325棟の耐震化率は30.4%となった。国の補正予算などもあり、08年度末よりも10.4ポイント上昇したものの、全国の耐震化率に比べると24.3ポイント低い。耐震診断の実施率は、08年度より10.4ポイント上昇し、91.8%に達した。
82年以降建設の新基準の施設を含めた耐震化率は60.6%で、08年度末に比べ6.2ポイント上がった。全国の耐震化率と比較すると、依然として10ポイント以上低い状況となっている。09年度補正予算の繰り越しや10年度当初予算や国の予備費の活用で、すでに工事中の施設が412棟あり、10年度中には耐震化率は67.7%に達する見込み。
旧基準の施設だけを見ると、耐震化率は30.4%となる。国の09年度補正予算で耐震改修などが進んだものの、全国ベースの54.7%と大きな開きがある。道教育庁施設課では「自治体財政の厳しさに加え、広域分散の道内では学校の統廃合を進めにくい」ため、分母が減らないことも要因とみている。
耐震診断の実施状況は、道内は91.8%に達したものの、都道府県別では最下位。道教育庁では、1次診断や優先度調査のできる技術職員の確保が難しい市町村に対し、道から職員を派遣するなどの支援を講じ、耐震診断の実施を促す。