公共施設の耐震化を進める大月市は、市内にある施設を対象に耐震診断を行っている。診断結果は今後国に対し耐震化に必要な補助金を求める際に必要なデータとして使用する。
近く、富浜公民館(同市富浜町鳥沢)、西部農村環境改善センター(同市初狩町中初狩)、笹子公民館追分分館(同市笹子町黒野田)の耐震診断の発注を予定。年内に診断結果をまとめ来年度以降対策を実施していく。
富浜公民館はS造2階建て213u、西部農村環境改善センターはRC造平屋384u、笹子公民館追分分館はW造平屋134u。いずれも現在の耐震基準になる前に建設されているため、耐震診断の結果問わず耐震化が必要になると見られる。
市は市内にあるこのほかの公共施設についても順次耐震診断を行っており、その結果を基に国に対し耐震化に必要な補助を求めていく方針。
ただ、市内にはまだ耐震化されていない学校施設があり、小中学校の統廃合を進める上でも、優先的に耐震化する必要がある。
国は全国の学校施設の耐震化を27年度までに完了させる方針を示していて、市ではまずは小中学校施設の耐震化に予算を充てる考え。その他の公共施設の耐震化については27年度以降になる見通し。
今年度は七保小体育館(同市葛野)の改築を予定しており、近く開かれる臨時議会で契約承認後、着工する。施工は三井建設工業・宝方工務店JVが担当。来年度以降は大月東小校舎北棟(RC造193u)、大月東中校舎全棟(RC造3階建て1315u)の改築も控えている。
厳しい財政状況により年1施設程度しか耐震化が進まないことに対し、市関係者からは「児童の大切な命にかかわること。子ども手当もいいが、市町村の財政状況が厳しい中、全額国が補助して早期耐震化を図ることも必要なのでは」と国の政策を疑問視する声も挙がっている。
提供:山梨建設新聞