県土木部は「平成23年度国の施策及び予算に関する提案・要望」(中央要望)を、このほど国土交通省や関東地方整備局のさいたま、および横浜の3カ所に行った。通学路の歩道整備や中小の河川改修など、生活に密着した事業の執行に支障が生じないよう必要な財源確保などを求めたもの。
この要望は、ことし6月に各部局でまとめて要望したものを、部局ごとで個別に掘り下げて実施しているもの。土木部は、6月23日の茨城県事業連絡協議会で国に伝えた内容を、実際に本省や本局にまで出向いて直接要望した。
当日は、進藤崇土木部長や後藤和正都市局長、関係各課長が、谷口博昭国土交通事務次官や菊川滋関東地方整備局長、林部史明、梅山和成の両副局長らに直接面会し、要望書を手渡した。
土木部は、県議会土木委員会による県内調査での市町村長要望を踏まえ、県民生活に密着したきめ細かな事業に来年度予算を重点配分するよう、茨城県事業連絡協議会で国に要望しており、今回の中央要望でさらに念押しした格好となる。
土木部によると、茨城県の道路改良率は39・4%と全国最下位でトップの東京都(73・1%)に比べ約半分近い数値。とくに通学路における歩道の整備率は28・6%と低い状況だ。
また、下水道の普及率も、全国平均よりも20ポイント低い状況。豪雨による女沼川の破堤など、浸水被害が2年に一度の頻度で起きているという。
そのほか要望では、圏央道の24年度開通や東関道水戸線の整備推進、水戸北スマートICのフルインター化や(仮)上河原崎・中西スマートICの事業化、常陸那珂港区の水深12m岸壁の新規整備などを要望している。
提供:日本工業経済新聞