あわや大惨事を、絶妙なタイミングの人命救助劇だった。今月3日、未明から早朝にかけての豪雨で、道路崩壊が相次いだ霧島市国分重久の県道国分霧島線。崩壊した道路下に無残にも乗用車が転落したが、運転者などは転落寸前に救助され、事なきを得た。現地で県道の崩壊確認などを行っていた叶V町組の社員らが、霧島市消防局員などと協力して、決死の人命救助を行い、大惨事を防いだ。
現場に居合わせたのは、名城司さんと有馬純雄さん。当時、社員8人と県道都城隼人線の状況確認や倒木除去などで復旧作業を行っていた。同路線の作業後、名城さんと有馬さんは県道国分霧島線近くの手篭川濁流の増加を確認した。そこには、すごい勢いで濁流が流れ込み立ち往生する車両があった。
名城さんと有馬さんは、後庵博文霧島市消防局長やレスキュー隊員と状況を見ながらユニックなどで救助体制に向かうが、雨の勢いが止まらずなかなか取り組めない。そうしている間にも道路の亀裂を目の当たりにし「救助に精一杯だったが、恐怖を感じた」と息を呑む。
そして、雨が弱まり、濁流の水位が下がった一瞬を迎えた。絶好の好機と言わんばかりに、同社のユニック車を使い、後庵消防局長の指示でレスキュー隊員が迅速に運転者ら6人を救助。その後、道路が崩壊し、間一髪の人命救助となった。ともに「救助された後はホッとしたが、犠牲者が出なくて良かった」と安堵の表情で話した。
なお、霧島市消防局は16日、同社に対し局長表彰を行う。
且ュ児島建設新聞<